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日本アルプスも山登りのシーズンが近づく。山登りをする人は、大抵、日本アルプスにあこがれる。日本アルプスでも、特に槍ヶ岳は天に向かって突き出す槍の形状が魅力的である。あの槍の穂先に登ってみたいという誘惑に駆られる。日本百名山の深田久弥は、槍ヶ岳の形からして、登山愛好家で、これに登りたいと思わない人はいないであろうと言っている。
まず、大町から、燕岳に向かう。見晴らしのよくない林をあえぎながら5時間くらい登る。その夜は、燕岳山荘に泊まる。翌朝、燕岳の山頂に行き、それから槍ヶ岳へのほぼ平らな尾根を縦走した。晴天に恵まれ、実に壮大な景観を見ながら、槍に向かう。昼頃、槍につく。山荘に寄らず、一挙に槍の岩をよじ登る。20分くらいで槍の穂先である頂上につく。頂上は私とS君と2人だけである。頂上に大の字になり、1時間ほど、雲がはるか上空を走っていくのを眺める。実に壮大で、その風景は未だに記憶に新しい。
穂高への縦走は、まだ、自信がなかったので、帰りは上高地に一挙に下りた。
その後、槍から穂高への挑戦を計画したが、暇を見出せず、ついに北アルプスは、この登山で終わった。サラリーマンになってから、20歳台で会社の同僚数人と南アルプスの赤岳に登ったのが本格的な登山の最後となった。高い山はヒマと同好の友人が会社にいないとなかなか登れないようだ。
槍に一緒に登ったS君は卒業後、心電計で有名なN社に就職し、その後、出世街道を行き、重役を最後に定年退職した。彼の家は東京であるが近所のスポーツクラブでヨガをやっているという。
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