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また、金をだまされた大事件が報じられている。しかし、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」とはよく言ったものである。
1.社内報の占いコーナー
私は、長期の大型改善のコンサルをするときには、社内報がない会社の場合、自らペンをとって、全従業員向けのPRニュースを毎月発行する。A4版で裏表の印刷にする。表面が正式な情報で改善に関するニュースである。裏面は非公式情報である。従業員の慶弔禍福や、遊びのニュースなどである。こうしないと、一般の従業員は読まないのである。
ある会社で、PRニュースを発行したとき、私は裏面に占いコーナーを作った。生まれ月別の当月の運勢である。これは、私が毎月書いた。先月書いた運勢を参考に、12の月に運勢を適当にばらつかせるのである。これが結構受けるのである。ときには当たっているという人まで出る。しかし、「株があがる」「勝ち馬が当たる」とかいう実害があるものは当然避ける。遊びにしておくのが倫理である。
今は、テレビなどで毎朝、星占いをしている。こういうものは、信じなくても、結構気になる。各局やっているが、ときには、局によって、同じ星座が異なった運勢のときがある。
2.当たらなかった売上予想
もう、30年近くなるが、オイルショックの直前に、ある中堅の企業のコンサル依頼があった。営業面のコンサルはA氏がやり、私は製造関係を担当した。当時は高度成長の最中で、受注は過去最高額になった。A氏は頭のよい人で、その会社の売上が、日本の設備投資額にほぼ比例していることを見出し、今後、5年の政府の設備投資見通しを参考に、その会社の5年間の売上見通しを作成した。
これを社長に説明したら、社長は「それはどうなか。占いのほうが当たるかもしれないな。」としてあまり熱心でなかった。事実、その社長は有名な易者に定期的に運勢を診てもらっていた。A氏は不満であった。
驚くべきことに、それから2、3ヵ月後にオイルショクッとなり、戦後、初めての大型不況になる。政府見通しと同様に、A氏の予測は見事にはずれた。要するに、それは、科学的な手法を装ってはいたが、占いと同じであり、当たるときも当たらないときもあるのである。私は製造担当であったが、受注増に対応するため、外注増加を進めていた。ところが、中近東で戦争が始まりだしてから、受注のペースが減りだした。おかしいと思い、すぐに、外注増強をストップするように助言して、在庫を減らした。後でこの即決で助かった。神風を信じて裏切られた少年の私は、大人になっても、絶対不変のものはないということが身に染み付いていたのかもしれない。A氏は私より、5才ほど年下であるが、そういう少年時代の意識はない。戦時教育は、このくらいの年齢差で、もう小学生のときの経験が大きく異なるのである。
経済評論家の言うことも、占い師と同じである。バルブのとき、ある有名な経済評論家は、金融投資や土地投資をしない経営者は経営の資格なしとまで、酷評した。しかし、そういう経営者はバブル崩壊で、会社を失った人が多かった。そういうことに手を出さなかった企業が今強い。
3.投機在庫の問題解決
ある大手の建材問屋の改善に行ったとき、担当重役にマニュアル作りのマニアがいて、そのマニュアルにベニヤ板の買い方が書いてあった。ベニヤ板が投機材になっていて、安いときに買って在庫し、高いときに売ると、グラフにまでして説明しているのである。担当課長は「その通りうまく買えないのです。安いと思って買うと、もっと下がったりするのです。そうすると、重役からマニュアル通りでないと怒られるのです。」とこぼしていた。この会社の在庫はコンピュータで管理され、通常の在庫と投機在庫とは区別されているので、すぐわかるのである。私の改善提案は「投機は会社の公金で賭けをするようなものである。したがって、投機のためのベニヤ発注は、課長レベルの決済でなく、重役レベルの決済にすべきである。」として、発注方法を変えた。これで、その重役も他人の賭けのうまい下手を批判できなくなった。
4.株の値上がり
本来、株も投機目的なら、占いと同じ運命となる。年金の運用を株で行うというのは、だから本質的には問題であろう。
私の若いサラリーマン時代に、経理課長が政治家をよく知っていた。そちらから情報が入るとどの株が上がるか分かるので、大分儲けたと言っていた。一種のインサイダー取引である。この賭けは、当たることは確実であるが、犯罪である。
アメリカの株価に関する不正も、株価を吊り上げ、上がるとさっさと売り払い、会社が潰れても、自分は大金持ちになった経営者もいたようだが、こうなると詐欺師の世界である。
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