ラッシュアワー (H14年12月3週号)

東海地区に行くのに、朝7時頃、大船駅の東海道線の下りホームに立つ。反対側の上り線ホームを見ると、3分くらいの間隔で15両編成の湘南電車が、次から次へと満員の状態で到着し、また、大船で乗客を乗せて出発する。膨大な人が東京へ移動するのを実感する。これは南からの東京への移動であるが、平行して、京浜急行も分刻みである。埼玉、栃木、茨城、千葉などからも同様なスケールの移動がある。

これは、地方の人には実感として、そのスケールは理解できにくいであろう。大阪もラッシュはあるが、乗っている時間は少ないし、規模が東京に比較するとはるかに小さい。

私は三十数年前、サラリーマン生活を止め、コンサルタント業に転身したが、それ以来、地方出張が中心で、東京のラッシュには縁遠くなった。しかし、時々、ラッシュアワーにぶつかるときがある。ラッシュになれた人はうまく対応しているが、私のほうは、降りるのにもたもたして、非常に戸惑うことが多い。

私の最寄駅は、ターミナルに近いので、一旦、空いている逆方向に乗り、終点で降りて、始発電車に乗ると座れる。この場合、一旦、下車して、待っている人の後に並ぶことになる。このため、時間はかかるが、東京まで確実に座れる。立ってラッシュにもまれるよりは楽ということになる。これは、7時台である。6時前後だと、まだ、一旦、始発駅に戻らなくても、座れる。土曜はその心配はない。

しかし、この「民族の大移動」は普段当たり前の感覚で見ているが、改めて見ると、大きなエネルギーの無駄なような気がする。人が職場に集まるのは、経済史では、手工業以降のマニュファクチャー時代からである。協業による分業による生産性の向上が始まってからである。すでに200年の歴史がある。21世紀もこの「民族の大移動」は継続するであろうか。