映画「七人の侍」
(H18年1月2週号)

この映画をテレビで放映した頃、私のビデオレコーダーは、ソニーのベータであった。その頃は、出張時に予約録画して後で見るつもりでとっておいた。テープは出張の帰りに秋葉原で、ディスカウントで買った。これがずいぶんたまって、逆に、見る時間がなくなった。本でいうところの「積読(つんどく)」同様、見ないテープが山のようになった。
そのうちに、ベータが廃止になったので、VHSに変わったが、たまったベータのテープがあるため、ベータのデッキは、今も健在である。

年末、テープを整理していたら、ベータで録画した不朽の名作「七人の侍」が出てきた。長編であるから二時間テープ(L−500)で上下二本に録画してある。当然、白黒である。画像が悪かったら、買おうかなと思った(買えば8千円位する)。しかし、映してみたら、結構、画像は良い。録音当時、テレビを見ながらしたらしく、コマーシャルカットもしてある。そこで、正月に、これを見ながら、ビデオデッキのHDDにまずおとし、次に、DVD−R二枚に高速ローディングした。

「七人の侍」の前半は七人の侍の編成と、村に行き、戦いの準備(人的、物的資源の準備)をするのが中心である。面白いのは、組織つくりで、いろいろな性格・技量の人材を選抜していることである。プロ野球の巨人のように、ホームランバッターばかり集めるような組織つくりではない。組織の妙を心得ている。

後半は、いよいよ、四十人くらいの山賊との戦いである。前哨戦があるが、本番の戦闘は、村の中の二日となる。最後の日は、残った敵十三騎との雨の中の戦いとなる。この戦いの始まる前、「一本の刀じゃ五人と斬れん」と菊千代が刀を何本も土に刺している(このホームページの息抜きコーナーの「日本刀のもろさと時代小説:H18年1月1週号」参照)。
いろいろ、失敗もあったが、ようやく賊を殲滅する。

七人の侍のうち、四人が死ぬ。いずれも種子島(鉄砲)でやられている。残った三人は、俳優では、志村喬、加東大介、木村功であるが、実世界では、この七人のうち、早く亡くなったのは、この3人の俳優であった。逆であった。不思議な因縁である。しかも、七人の中で、一番早く、種子島にやられるのは、前哨戦での、俳優千秋実であるが、実人生では、彼が、七人のうちで、最後の1999年に亡くなっていて、一番長生きであった。
こういう個性的な名優ぞろいの映画はもうできないであろう。

人物名
役柄
俳優
映画上の生死
実人生の生死
勘兵衛
リーダー
志村喬
生き残る 82年2月74才
3
五郎兵衛
参謀
稲葉義男
本戦初日に戦死 98年4月77才
6
七郎次
名秘書役
加東大介
生き残る 75年7月64才
1
平八
温和な調整役
千秋実
前哨戦で戦死 99年11月82才
7
久蔵
孤独な剣の名人
宮口精二
本戦2日目に戦死 85年4月72才
4
勝四郎
雑用係の若者
木村功
生き残る 81年7月58才
2
菊千代
反抗的な乱暴者
三船敏郎
本戦2日目に戦死 97年12月77才
5

ちなみに、黒澤明監督は98年9月に亡くなっている。88才であった。