東横インとヒューザーの経営態度
(H18年2月3週号)

横浜の東横インで発覚した地方自治体の検査後の違反改造は、ヒューザー問題同様、市の検査との関係で興味ある問題である。「品質は検査で保証できない」という好例であるからだ。それなのに、あるテレビコメンティターは、東横イン問題で地方自治体はもっと検査を強化すべきだと言っていた。そのとき、コメンティーターとして同席していた中田横浜市長が「今回は、東横インの内部告発による。企業にも良心を持った人がいる。そういう告発があったとき、検査をきちんとすればよい。そうしないと検査、検査の規制だらけで、モラル向上が放置される。」と言っていた。正論である。
同市長は、今、ヒューザーから検査見逃しだと訴えられたが、それに対して「コペルニクス的なでたらめだ。」と呆れていた。北川国土交通大臣も「ヒューザーに責任感がなく、とんでもないことだ。かつ、2000万円の弁護料は、本来、被害者に行く金である。」として呆れていた。ヒューザーの地方自治体への告訴は、検査依存の考えが無責任を助長することを明確に示した(このHPの新着ニュースコーナーの「検査依存のマイナス効果:H18年1月3週号」参照)。これを世に「盗人猛々しい」という。
検査のせいにしたヒューザーの態度は、マスコミにも責任があろう。こういう問題があると、必ず、素人検査強化論が発生し、マスコミが応援する。だから、ヒューザーは、苦肉の策でうまくその風潮に乗っかり検査のせいにした。検査のせいにしないで、堂々と責任をとったシノケンの扱いは新聞では小さい。これこそ、賞賛し一面トップで報道すべきだ。
検査を厳しくすると、社会的なコストがあがる。国や地方自治体の検査に期待すると税金が増加する。そして、いくら検査を厳しくしても、限界がある。モラル強化を問題にしないと、いくらでも悪知恵を出してごまかす人が永続する。日本は悪者に弱い社会となる。
違反した場合は、重罰を科するほうが自浄効果がある。
経営者は、重罰と利益を秤にかけて知恵を出すであろう。経済的な損失を配慮して、検査に依存せずルールを守るであろう。

東横インは、違法建築と知りながら、予約があるからとして神戸のホテルをオープンした。泊り客が予約をキャンセルするほど民度も高くないようだ。一方で、社長はしおらしく身障者団体に謝り続ければよい。それをテレビは無料で放映してくれる。社長はそれに気がついた。すばらしい!ビジネスセンスである。「踏み絵」は平気で踏む。
法律違反のすれすれの活動というけれど、内外のビジネスはそういう面がある。「死の商人」など、その種の商法で大金持ちになった人はこと欠かない。

それにしても、東横インの違反ホテルは、その約半数である。それ以外の違反していなかったホテルは何故、違反改造しなかったのか。マスコミは報じてないようだが、こうなるとその理由も知りたかった。