言語のこと
(H18年3月3週号)

ヒトは、声帯を使って、微妙に発音し、言語を操る。声帯はノドボトケの裏あたりに位置するという。複雑な言語を操るのは、ヒトと他の動物を区別する大きな特徴であるが、それは、ヒトの発声構造と関係する。
すなわち、ヒトの特徴は、この呼吸経路食道経路が、声帯のところで一緒になっていることだという。
一般的に動物は、構造的に鼻経路で呼吸し、食道とは別だそうだ。
だから、馬のように鼻で音を出して鳴く(いななく)のが普通であるという。豚も鼻でなく。犬猫のように口から鳴き声を出す動物は、無理をしているとのこと。人まねをするオームなどは、声帯でなく、もっと奥のほうで音を出しているのだという。ある医者が、オームがうるさいと声帯の辺りを手術で削除したが効果がなかったという笑い話がある。
だから、ヒトは間違って、呼吸器系統のほうに、食物を呑み込み、咳き込むことがある。これはヒトだけの特徴である。人の胎児の成長は、人の進化を示すというが、最初、鼻は、入口と出口は、1本の管のようなもので、これが次第に、U字型になり、2つのそろった穴のある鼻になるらしい。

ヨガでは、呼吸は鼻で行い、口でしないというのは、この構造に基づいているのか。

しゃべる言語は、文字言語と対応している。これも人体構造ではおかしなことである。しゃべる言語は聴覚が関係し、文字言語は、視覚が関係する。それぞれを知覚する脳の位置は異なるのだという。それが最終的に脳で統合されている。

文字言語は、象形文字音声文字がある。歴史的に何故、この2つが異なった文化圏で発生したかは興味ある問題である。

ところで、日本語は、漢字は象形文字であるが、カタカナ・ひらがなは音声文字である。この識別をする脳の部分は異なるのだという。脳のある部分に異常が起きると、文字を忘れるという現象が発生する。これが失読症である。ところが、象形文字を判読する脳の部分と、音声文字を判読する脳の部分が異なるので、日本人はカタカナ・ひらがなを読めるが漢字を読めない失読症があるという。

日本人は、象形文字(漢字)と音声文字(カタカナ・ひらがな)を識別する2つの脳を使っている珍しい民族である。その特長を生かせないものか。
ベストセラー「バカの壁」の養老氏によると、日本の漫画、劇画はそれであるという。