アカデミー賞75周年 (H15年4月2週号)

アカデミー賞は、今年で75周年になるという。イラク戦争がはじまったので、厳重警戒の中で、多少、地味にやると聞いたが、WOWOWで見た限り、豪華なセレモニーであった。
75周年だというので、過去にアカデミー賞をとった俳優で、生きている59人の俳優が実際に登場した。スクリーンでは、過去のアカデミー賞をもらった人が逐次、映し出されたが、もうなくなった人も多い。
私たちの学生時代は、ハリウッド映画を見ることは最大の娯楽だったから、昔懐かしい俳優が続々登場した。しかし、ほとんどの人がもう老齢である。
59人の紹介役で最初出た女優のオリビア・デ・ハビランドも昔の知性的な品のある面影を残していたが、やはり年には勝てない。すでに老人である。日本で言えば、今、原節子が出演したようなものだ。
映画音楽で有名な「慕情」に出てくるジェニファジョーンズという、そう美人ではないが、よくスクリーンで見た女優であるが、もう老婆である。テレサライトもいた。男優にまじって女優が紹介されるが、名前を聞き、テレビに映る顔を見ると、昔の面影があるので、映画も思い出す。
男優では、ミッキールーに―という小柄で太ったギャング役でよく登場した人もいた。名画「アラビアのロレンス」のピーター・オドールは、特別功労賞をもらった。これは前日にきまっていたので、当日は、安心して出席できたと、ユーモラスな挨拶をした。他の賞は出席中に決まるからだ。彼も老齢である。

作品賞(作品賞は「シカゴ」)のときであったと思うが、プレゼンターに、カークダグラスとその息子のマイケル・ダグラスが親子で出た。若いとき、あの精悍なカークダグラスも、今は、いいおじいさんである。
75年という歴史は重く、お互いに年をとったものである。

アニメ部門で日本の「千と千尋の神隠し」が賞をとったが、誰も出席がなく、プレゼンターが代行して賞を預かっていた。私は「千と千尋の神隠し」は、かなり前にレンタルのDVDで見ていたが期待通りの受賞であった。「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)・2部」はノミネートされたが、賞を逸した。これも第1部はレンタルのDVDで見たが、確かに迫力がある。コンピュータグラフィックの技術を使って、ハリウッド映画は、この75周年の蓄積の上にますます強大な産業になるのだろうか。