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朝日新聞にシリーズで、作家の五木寛之氏がエッセイを書いているが、最近、オブラートのことが書いてあり、子供の頃に、オブラートだけ食べて母親に叱られたという。円形のオブラートを口に入れると溶ける感覚がなんともいえなかったらしい。そして、今もオブラートは存在するのかと疑問を呈していた。
しかし、今もドラグストアでは、オブラートは売っており、円形だけでなく、製造技術が進んだのか、いろいろな袋状のものも売っている。オブラートは、苦い薬のように口当たりの悪いものを包むもので、われわれの子供時代には、家庭に常備してあるようなものであったが、薬が次第にのみ易くなるに従い、消費がへったように思う。「良薬は口に苦し」でなくなってきたせいであろう。
私は、30年位前からオブラートの愛用者である。最初は、ビタミンCが体によいということで、そのビン入りの純粋粉末剤を購入し、それに添付の小匙1杯分をオブラートに包んで毎日飲んでいたことがあった。小匙1杯、2グラム程度である。オブラートで包まないと、すっぱくてひどい味がするからである。
しかし、いろいろな食品にビタミンCが添加さているし、過剰にとっても排泄されるので、いつかやめた。
最近、また、私のオブラート使用が復活した。それは、健康用に沖縄ウコンの純粋粉末を飲むようになったからだ。これも小匙がついているが、そのまま、のむと苦い。そこでオブラートに入れてのむのである。3角形をした袋状のオブラートである。この方が円形のフラットなオブラートより、包みやすい。フラットなオブラートは包むとき、破けることがあるからだ。
五木寛之氏は、オブラートはドイツ語だとか書いていたように思うが、実はオランダ語(oblaat)である。通常の英和辞典にはない。英語ではmedical
waferである。
原料は、澱粉と寒天である。「苦言をオブラートで包んで伝える」という言い方があるが、「オブラートに包む」ということは、オブラートを知らないとその意味が分からないことになる。オブラートが一般的でなくなると、この言葉は日常用語から消滅するかもしれないが、「叱るよりほめろ」という教育が増えてきたように思う。すべてオブラートに包まれたアドバイスになってきているが、やはり、口当たりの良いアドバイスは要注意ではなかろうか。
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