| 5月下旬、天童にある会社が土曜研修を行うというので、金曜日の午後の新幹線「つばさ」に乗った。疲れ気味なので、グリーン車にした。「つばさ」は、在来線を走るので、車両が正規の新幹線より狭い。だから、グリー車は、一人席と、2人席の2列で、全席20人くらいで一杯である。それでも2、3席が空いていた。
私は、りそな銀行のニュースで、監査法人の人が自殺したということで、その記事が載っている週刊誌を買い、車中で読んでいた。
私は、一人席であった。丁度、通路をはさんで、隣側は2人席であるが、2人は連れ合いであるようだ。そして、どうもこのうち、一人、通路側の人が、男か女か分からない。声も高いし、しゃべり方もしぐさも女のようである。ズボン姿なのでわからない。しかし、横を向いてじろじろ見るのは、はばかれるので、あえて見なかった。
そのうちに、テーブルを開いて、原稿を手書きで書いているようであった。多忙な人のようである。
私の読んでいる週刊誌には、連載で、有名人の家の履歴というのがあった。生まれてから、転居してきた家の間取りなどが書いてあるのである。その週は、おすぎとピー子のことが載っていた。かなり、頻繁に転居していることが分かる。
そのうち、列車は山形についた。ほとんどの客が降りる。隣客も降りたが、そのとき、初めて、顔を見た。テレビでおなじみの顔である。おすぎなのか、ピー子なのか分からないが、どちらかである。偶然、週刊誌で読書進行中に、隣席にその週刊誌の本人がいたというのは、まことにめったにない偶然である。
天童市の郊外に出ると、まがったレールがさくらんぼの木を囲んでいる風景が点在するのが見られる。
天童は、6月20日前後が、さくらんぼの最盛期になるという。列車もホテルも満員になろう。しかし、台湾からの観光客はお断りということを天童温泉組合が発表していた。SARS予防のためである。こんな地方にもSARSの影響がある。
天童は、二十年ほど前に、山形に来たついでにまわったが、そのときは、まだ、将棋の町で有名であった。今は、さくらんぼである。高いものは1個百円もするという。
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