黒姫山は、飯綱山と妙高山の間にあり、独立した山で、富士山のような形状をしており、頂上は富士山のように火口がくぼんでいる。死火山なので、草が茂っている火口に降りられる。
黒姫山は深田久弥の日本百名山にないが、後に追加名山になっている。深田久弥は奥さんと登っている。富士山と同様に頂上に近づくと急勾配になり、きつい山である。
独立した山であるため、近くに妙高、飯綱、戸隠などの山が見えるので、眺望も良い。長野市からは簡単に日帰りが可能である。
この山に登ったのは大学時代で、同級のT君と登った。T君は名古屋の刈谷市の出身であるので高い山を知らない。大学4年生になり、就職も決まったが、せっかく、長野の大学生活をしながら、山らしい山に登っていない。そこで、地元の私に登山案内の要請が来た。そこで無理をしないで手ごろの山ということで、とりあえず、黒姫山を選んだ。この山は私も登ったこともなかったので、一石二鳥となった。
私は当時、脚力に自信があったが、驚いたことに、黒姫の最後の急坂をT君は平気で登っていった。頂上に近づくとピッチが上がる私を追い越すようになった。脚力はすごかった。登山はやはり、脚力が基本である。
刈谷市の平野部出身で高い山を登ったこともなく、運動の選手でもない小柄のT君が何故、このように脚力があったか。後で考えると理由があった
彼は最初大学の寮にいた。寮から教室までちょっと距離があった。彼は自転車で通った。後に下宿に変わったが、教室までかなり距離があったが、彼はバスでなく依然として毎日自転車で通った。大学構内を丸坊主でせっせと自転車をこぐ彼の姿をよく見かけたものであった。
この毎日のような1種のトレーニングが、4年の間に彼の脚力を強くしたと考えられた。日常の積み重ねがいかに大きな力になるかを教えてくれた登山であった。 |