冬の富士・車窓(H16年2月1週号)

冬の東海道新幹線上りで、新富士駅に近づくと、トンネルに入る。そして、トンネルを抜けると、雪をかぶった壮大、かつ、端麗な富士山の全景が左側の車窓に展開する。「トンネルを出たら、富士であった。」と、川端康成の「雪国」の出だしのようである。そして、新富士駅に着く。
昨年末から、静岡方面に行くことが多くなった。冬の静岡は、裏日本と異なり、晴天が多い。だから、雪をかぶった富士山がきれいに見える。夏の富士より、はるかにきれいである。

この富士を車窓から見るには、新幹線よりは在来線のほうがよいのではないか。スピードが遅いのでゆっくり見られるせいであろうか。
在来線で、車窓から一番、雄大な富士がよく見えるのは、やはり、富士駅あたりである。下りだとそれまでは、富士の前に小さな山があり、これが邪魔で雄大なスロープのある全景が見えない。
富士駅は、新幹線の新富士駅とかなり離れていて、富士山に近い。そして、新幹線と違い、下を走っているので、上を仰ぐようになるせいであろうか。
富士は、日中は雲がかかりやすいので、朝が絶景である。静岡に行くときに、東海1号という在来線を走る特急を使うことが多い。この列車は、富士駅にちかづくのは、朝の9時頃である。東海号は、昔は急行であった。それが十年位前からか、特急になり、料金も特急料金になるとともに、列車がきれいな6両連結になった。1日、4便出ている。東京から静岡までで終わりである。

この雄大な富士山が世界遺産に認められないというのは、山が汚いからであるという。確かに、富士登山すると、ごみの山である。しかも、広大な富士山麓は、産業廃棄物の不法投棄の盛んなところでもある。
最近、静岡県のニュースで、硫酸ピッチの不法投棄が見つかり、業者が撤去してきたが、資金が続かず、撤去が遅れ、これを放置すると、市民の地下水に影響を与えるということで、市がやむを得ず、撤去に乗り出したという。

富士山からはきれいな水が、三島あたりに出てくる。これらの地下水に影響与えることになったなら、日本の象徴である富士山は、環境汚染の象徴となってしまう。
富士駅近くのある歴史のある古いホテルに泊ったことがあるが、部屋の水道水は富士からの天然水であると掲示してあった。