| 以前から、疑問に思っていたことがある。それは有名エコノミスト(銀行や証券の経済研究所の研究員や、大学の経済学教授などでテレビによく登場する)がいろいろ予測するが、毎回、過去の自己の予測評価(反省)がないことである。というのは、前言を簡単にひるがえすなど、随分勝手なこと言っているのではないかと感じたからだ。PDCAのサイクルが明確でない。
エコノミストは、いろいろ分析から、経済はこうなるから、こうすべきだと提言する。すなわち、PLAN段階である。そして、時間がたつ。経済の実態が明らかになる。Doの段階である。予測が当る場合もあるし、外れる場合もあるが、測定可能となる。CHECKの段階である。そして、外れた場合は、その原因を明確にし、改善した次のPLANとなる。しかし、多くのエコノミストは、そのサイクルが明確でない。
そうしたら、以前、文芸春秋で、そういう趣旨の特集を組んだことがあった。最初の発言がいつのまにか、逆の発言に変わり、その明確な弁明もないで、また、次にはこうしなければ、経済は良くならないと平気で言う例が明確に記録されていた。筆者は、東谷暁氏である。
そうしたら、文春新書から、昨年末、同氏の「エコノミストは信用できるか」という本が出た。40人のエコノミストのPDCA的な観点からの評価が取り上げられている。
PDCAの視点から興味があって、読んでしまった。
経済は生き物である。それを予測するというのは、占い師のようなものである。当たるも八卦、当たらぬも八卦である。それは、エコノミストの予測も本質的にそうであろう。それを自信満々にこうなるという神経はどうかと思う。
この本を読むと、信用できるかどうか以前に、PDCAをきちんとしているか、要するに自己評価を明確にしているかが、どのアナリストについても不足しているようである。
信用できるかは、予測が当ったというよりは、外れても、何が原因で外れたかが、明確に自己批判しているエコノミストのほうが信用できる。
それからPの段階で、現状把握が感覚的である。数字を示すと正確のようであるが、問題が多い。「景気は一部大手は回復したが、中小企業と地方はまだだ。」というとき、一部大手とは何社なのか、中小企業とは何社のデータなのか、地方とはどこなのか、具体性は全くない。その現状把握で、未来を予測するのだから粗悪な予測になるのは、無理はない。
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