| 1995年3月20日の午前8時頃、東京で地下鉄サリン事件が起こる。世界史上でも、毒ガスを使ったテロは初めてであろう。もう、9年がたった。
この日は月曜日で、私は、午後から東京で打ち合わせがあるので、出かけることになっていた。昼頃、自宅を出るときはすでに、テレビニュースの報道があったという記憶がある。
多くの被害者が聖路加病院を中心に収容されたが、私が都心近いビルに午後1時頃ついても、何か救急車のサイレンの音とか騒然とした雰囲気であったように思う。
当日は、そんなに大事件でないと思っていたので、打ち合わせ中でも話題にならず、1時間ほどで打ち合わせを終り、すぐに帰途についている。
すでに、オウム真理教の第一審は麻原の死刑判決で終わったが、長い裁判であった。このサリン事件の突破口は、林郁夫の自供がもとであるという。彼の自供がなかったなら、まだ、多くの真相は闇であったかもしれない。
3月6日のTBSの特集番組は、この自白をめぐるドラマを2時間半ほどの長時間ドラマにして放映した。力作である。
林郁夫は、実に理想的な医者の道を40才台まで歩んでいた。父は開業医であったので、子供のときの林郁夫は、毎月、保険の請求書にハンコを押すのが楽しみであったという。ハンコを押すたびに、父がこの人を救ったと思っていたという。
しかし、現代医療の限界に疑問を持ち、真面目に悩むに従い、宗教に向かう。そこにオウム真理教があった。真面目な医師にとって不幸な出会いと言うべきか。
真面目なだけに、マインドコントロールが解けると、オウム真理教の真の姿も真面目に語ったことになる。その点で、この人がオウム真理教にいたこと自体に大きな意味があったことになる。その真面目さを考え、自白にまで持っていった人間味ある警部補も、この歴史的な事件のドラマには欠かせない要素であろう。
まだ、解けない謎は、オーム真理教の村井氏刺殺の意味と警察庁長官の銃撃犯である。
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