思川(おもいがわ)
(H16年9月5週号)

2、3年前に栃木市に仕事で行っているときに、両毛線を使った。東武電鉄を使う手があるが、新幹線ルートの方が料金はかかるがアクセスが直線的である。新幹線で小山まで行き、ここから両毛線に乗り換える。最初の駅が「思川」である。次に栃木駅である。だから、「思川」駅は往復で必ず通過するが、降りたことはない。駅名は、近くを流れる「思川」からきている。

駅名や川の名前は、自然を対象とした名前が圧倒的に多いが、このように人間的な駅名は変わっているので、記憶に残る。以前、北海道の方で、駅名で「愛」が含まれた駅名があり、わざわざ、切符だけ買う客があるということを記憶している。この「思川」駅にそういう人気があるのか、この川名の由来も知らない。広辞苑では「思川」は「思いが深く絶えないことを川にたとえていう語。」とある。有名な恋愛小説の題名にもある。

今月、2人の兄弟の殺人事件でこの川の名前がマスコミでさかんに登場したので、思い出した。
2人の子供の死の痛ましい思いを「思川」は「深く絶えない」で伝えるのであろうか。

2人の子供の殺人のニュースで朝日新聞に乗った地図で見ると、東北線の小山駅は描いてあるが両毛線がない。当然、「思川」駅もない。両毛線は小山駅から北上し、次に、西に向かってカーブして「思川」を渡るので、今回の事件よりは、はるかに上流を渡るからであろう。「思川」は、栃木県を南下し、最後は利根川に合流し、太平洋に注ぐ。

夜、この駅で停車するとホームは闇である。ホームの屋根がないように思った。駅も確か片側だけに改札があり、無人駅のようだ。住宅もあまりない。田園地地帯である。

新幹線の小山駅で乗り換えるとき、先に時刻表を見て新幹線を選ばないと、30分くらい両毛線のホームで待つことになる。ホームには待合室などないから、真冬など大変であろう。
うまく新幹線を選ぶと、数分で両毛線に接続する。
普通、サラリーマンの通勤は車なので、ローカル線は通学のための路線と言える。だから、両毛線も、昼は空いているが、朝は8時頃、夕方は、4時頃、学生でラッシュとなる。

栃木県は、この幼い兄弟の殺人でニュースのトップ記事になったが、偶然、前後して、長崎での友人を殺した未成年の女生徒が、更正のために、栃木県の施設に移されたというニュースもトップ扱いになった。日本では、そのような女子用の施設は栃木県しかないのだという。栃木県のニュースが連日、トップ記事になったのは、初めてではないか。しかし、明るいニュースであってほしかった。