郵政民営化のこと
(H16年10月4週号)

郵政民営化は、小泉構造改革の本丸だと担当大臣の竹中氏は言っているから企業でいう大改革である。そして、小泉総理は、今度の内閣改造で、新内閣は郵政民営化実現内閣であると言っている。
しかし、日産のゴーン氏のリバイバルプランなどの企業の改革プランと比較すると、どうも、その改革の必要性や重要性が抽象的でわかりにくい。

企業の改革では、日産のゴーン氏がやったように「現在こういう問題があり、これをこういうようにするといつまでに、こういう効果が出る。」という明確な数字と日程を明記したプランを出し、社員の了解を得て進めるのがオーソドックスな方法である。

そういう視点から郵政改革を見ると、何が現状問題であり、民営化により、どういう改善が期待できるのか、明確でない。だから、反対派も頑固なのであろう。

国会で、議員から竹中大臣に分かりやすく説明してくれと質問があり、竹中大臣は、350兆円の民間への資金の供給、郵便局のコンビニ化、国家公務員の三分の一と言われる郵政関係の公務員の削減による政府負担の減少などをあげていた。

しかし、現状の問題点が明らかでない。350兆円とも言われる郵貯・簡保の不良債権額すら、小泉さんが総理になってから、3年になるが、いまだに現状の数字が明確でない。
特殊法人など、無駄な投資に使われ、不良債権化している部分がかなりあるようだ。この不良債権は郵貯、簡保は国の補償があるから預金者に直接、実害がないのだろう。しかし、不良債権化した部分は、最終的に国が埋めるから、最終的に国民負担となる。その負担額は概要どのくらいか。最終的には預金者に負担がもどってくるだけではないか。しかも、それは公平な負担で戻ってこないのではないか。それも明確でない。しかし、これは民営化と関係ない。民営化した銀行でも、つぶれそうになると税金で助けることもある。

2001年から、郵貯の出口である財投に使わないとなったそうだが、抜け道があるようだし、依然として、国の借金である国債にかなりの額が振り向けられている。国債は国民の借金であるから、堂々巡りである。そういう説明もない。

郵貯は、先進国に例を見ない預金制度であるという。これは日本型社会主義の名残でもあろう。社会主義は良い点もあるが、歴史が示すように国の経済を閉塞させてきた失敗例が多い。今後、国家補償の預金部分の多くは市場支配の民間経営にまかせ、国の負担は減らそうというのであろうか。