スポーツクラブでは、中年の女性が多い。いくつかのグループに分かれているようだ。
そして、大きな声で世間話をしている。いわゆる、井戸端会議である。
その話によると、先週、68才の中年の女性が、アクアビクスが終わった後、プールサイドの椅子に休もうと腰をおろして、しばらくして、急に倒れ、心臓が停止したという。あっけない死であったという。
アクアビクスというのは、50分間、プールで踊ったり、はねたりして、エアロビクス運動をするプログラムである。水中であるから、浮力が働くので、運動しても腰への負担が少ない。
この女性は、スポーツクラブでも、もっぱら、プールだけであったという。元気であったのであろう。しかし、年令相応に、運動量を切り替えていかないと、危険である。
もう、30年位前になろうか。ジョギングブームを作ったアメリカ人が、ジョギング中に、死亡したという事件があった。それから、ウオーキングに切り替える人が増加したらしい。
私も、30年位前に、ジョギングをよくした。当時、きまった場所への出張が多かったので、定宿のホテルに、ジョギングシューズと、トレーニングウエアを一式、預けておいて、夜とか、朝、ホテルの近所を20分くらいジョギングして汗をかいていた。
ところが、60才くらいになったとき、夕方、出張から帰り、夕食後、ジョギングをした。疲れ気味なので、ちょっと無理かなと思ったが、走った。そして汗を流すために風呂に入った。風呂からあがったら、急に不整脈が出た。
翌日、医者に言って話したら、「年を考えなさい。」と言われた。それからジョギングからウオーキングに変えた。
それ以来、慎重になった。スポーツクラブでも、あまり、息の切れそうな運動は避けている。スローライフである。
西丸震哉氏は、1960年代以降に生まれた日本人は、高度成長時代からの急速な大気汚染、水質悪化、飽食、冷暖房完備、運動不足などにより、その平均寿命は40才になろうという説をとなえている。
その西丸氏によると、原始人はよく走っていたというのはウソであり、うろうろしていただけだという。野生動物もふだんはウロウロしているのであり、ある瞬間にだけ走る。
だから、ジョギングよりも歩くほうが、自然で無理がない。皇居の周りをジョギングしているのは、汚染空気を深呼吸しているようなものだという。
人は必ず死ぬ。理想的な死に方はNPOであるという。Nは「長生き」、Pは「ポックリ」、Oは「往生」であるという。そうであれば、このスポーツクラブの女性はPとOは、満たしたが、Nが平均寿命より短いので、これを満たしていなかったことになる。 |