健康機器
(H17年7月3週号)

以前、近くに健康機器を販売する店があり、最初、何かを無料であげるから参加してくださいというチラシが入る。その店に行くと、数十くらい腰掛があり、座席が埋まる。多くは中高年の家庭の主婦らしい。最初は、何か家庭用品が無料で配付され、同時に何か健康について話がある。次にまた、招集がかかる。また、何かが無料で配付され、健康についての話がある。
こうして、何回かの後、高価な健康器具を今回だけ特に安くということで宣伝される。多くの人が買うことになる。一種のマインドコントロールであるらしい。そして、多く売ると店はいつの間にか移転して消えて行く。
近所にそのような健康器具が好きな主婦がいて、私の妻と懇意にしていたが、結局、いろいろ買った器具をあまり使わず、そのうちのいくつかを私の家に持ってきて置いていった。

最近、私が行くスポーツクラブの場所を借り、血管をきれいにするという健康機器の無料体験が行われた。口のうまい40才近い宣伝マンが血管をきれいにする重要性を説明する。最初から、その器具の売り込みは一切言わない。
私は、ためしに体験をしてみた。継続効果があるということで、何日か体験した。中には肩こりが治ったとか、便秘が治ったとかいう人が出てきたと、固有名詞で宣伝マンが言う。
私もパソコンで疲れた目の疲労回復が早くなったような気がした。

宣伝は、50日くらい続いたが、最後の2週間くらいのとき、価格を言い出した。それも「皆さんから質問が多いので」ということであった。通常価格、80万円くらいのものが、今回、特別に割引で60万円くらいにするという。結局、20台くらい売れたようだ。十分、ペイしただろう。

私は、二十年位前に、心臓のカテーテル検査を受けたことがある。動脈に造影剤を入れ、心臓のまわりの血管内部を検査するのである。特に冠動脈という太い血管の検査が目的である。この内部にコレステロールなどが付着して、血管が細くなっているかを検査するのである。動脈硬化で血管がせまくなっていると明確に造影剤で分かる。私の場合、幸い、きれいであった。もし、動脈硬化で細くなっていると、パイパス手術とか風船による血管拡大という心臓の大手術となる。

この健康器具の宣伝に、血管の絵が描いてあり、血管の壁にコレステロールがついていた。これをこの器具で、落とし、排泄するという説明であった。健康器具の登録番号もあった。

そうであれば、動脈硬化で狭くなった人の血管を造影剤で撮影しておき、この健康器具を使用し、血管の壁のコレステロールを落とし、そのすっきりした動脈を、また造影剤で映し、この2つを比較したら、宣伝は、より説得性があったであろう。それに、バイパス手術など大変な手術をしないですむ。健康保険費用の大きな節減にもなる。
そうなれば、ノーベル賞並みの大発明ではないか。しかし、事実はそういうニュースはない。

そういうことは、営業妨害になりそうなので、言わなかった。