談合と社会主義
(H17年8月1週号)

談合は、建設・土木工関係業者が助け合うために、必要であり、日本的な和の精神が底にあるという。しかし、ここに、日本的な和の考えを出すのはおかしい。こじつけのようである。

つぶれる業者を出さないように談合をする体制は、社会主義体制である。このたとえがあまり議論されていない。日本でも自動車、電気など国際市場で自由競争しなければならない業界にはない慣習である。自動車では、技術面の必要性からもあり「ケイレツ」はあったが、電気業界ではそれすらなかった。
戦後の日本政治を社会主義体制だという人がいるが、名言である。土木・建設業界の政・官・民の談合はその典型例である。その社会主義体制の考えがバブル崩壊以後、純粋の資本主義のグローバル化ということで徐々にきびしい目で見られている。

社会主義は計画経済で、倒産企業や失業者を出さないシクミである。代表的なものがソ連であった。ソ連は国家が1つの企業であり、倒産や失業のないように、生産計画はモスクワの中央局で集中して行った。日本は、建前は資本主義国なので、ソ連にない「天下り」システムを作り出し、実質的に社会主義体制を作り上げた。

ソ連の壮大な70年にもわたる歴史的な実験結果は、すでにソ連の崩壊で明らかである。しかし、ソ連崩壊後、失業もなく、年金がきちんとあったソ連時代を懐かしむ人が出てきているという。一部、スターリン崇拝復活もあるという。
すなわち、社会主義時代全部が悪いわけではなかった。よい面もあった。マルクスやレーニンが社会主義をめざしたのも、資本主義の弊害を除くためであった。談合も社会主義がよい点を持っているように、よい点はある。
土木建設業界の後押しで、議員になった人がいて、テレビで談合の必要性を強調し弁護していたが、所属は自民(自由民主)党である。社民党か共産党で出馬すべきであろう?

問題なのは、社会主義は自由な競争を排除するので、長い目で見ると技術革新が遅れることである。社会的にコスト高になる。この点でソ連はアメリカに敗れた。
中国は社会主義であるが、その失敗を見て、資本主義的な要素を入れるというむずかしい歴史的な課題に取り組んでいる。

長く継続する企業もあり、消えていく企業、新しく生まれる企業もあるという入れ替わりが、経済を活性化することは確かである。それは倒産企業や失業者を生むので、資本主義国でも、ソ連の影響や共産化の恐れから、20世紀にはいろいろな社会保障制度が生まれた。いわゆるセーフティネットである。

しかし、経済のグローバル化が進み、日本経済も成熟段階に入ったとき、建設・土木産業が「継続的な繁栄をする」には社会主義的方法は効果的なのであろうか。
日本でも今日があるのは明治維新があり、敗戦後のソニー、ホンダの成長があったように、大きな舵取りは必要なのではないか。それを推進できる坂本竜馬はいないのか。
それにしても、社会主義的な体制は、封鎖的で、いじめ的で暗いイメージがする。資本主義体制は、自由でオープンで明るいが猥雑な感じがする。ともに支配される弱者はいるが。