先月、四国のほうのJRで大きな列車衝突事故になりそうなトラブルがあった。最近、羽田空港で、管制塔が停電して、大きなトラブルになった。
JRのほうは、自動停止装置が働かず、あわてて運転手が急ブレーキをかけて大事故とならなかった。自動停止装置を「停止」して工事をしていたのが原因であったようだ。
羽田空港のほうも、電気工事を午前10時から1時間半ほどしていたのがどうも、原因であるようだ。電源を監視する監視員は、工事中なので、いろいろな警報が鳴り、自家発電から供給する回路のブレーカーが落ちた警報を見落としたのではないかという。
テレビワイドショーであるコメンテーターが「何故、日中、工事などやるのか。それからしておかしい。」と言っていた。工事日程のマネジメントの原因追求のほうが重要であろう。
安全の専門家の大学教授が「安全の自動化がすすむと、人がそれ依存してしまい、その危険性が増す。」と言っていた。では具体的にどうすべきか、という主張がなかった。
機械化して人の作業が単純化すると、ポカミスはなくなるが、実は、管理者のマネジメントの負担が増大するのである。これを忘れる。工事は工事の専門がやるが、日常の仕事は別の専門家がやる。その相互間の関係と管制塔の最終的な活動とを誰がマネジメントしているかが不明確。マスコミも触れていない。工事予定の承認のときも、管制塔のマネジメントという全体マネジメントからの承認が必要である。
日本の弱いところは、マネジメントである。これが最先端の技術を使った安全装置を使いこなせるのか、という観点から問題を追求すべきであろう。
20年位前、全国に高度のオンラインをひいた問屋さんがあった。ところがこれを使いこなせず、経営が破綻しそうになった。私は、オンライン撤退を助言し、電卓に戻した。2年かかり、業績を回復し、4年目にオンラインにもどった。その企業は、最初、オンラインを使いこなすだけのマネジメントシステムがなかったのである。
ある小企業で、CADで女性が図面を発行していた。図面ミスが多かった。原因は、技術者からの変更連絡が悪く、図面変更がされないまま、図面がCADから発行されていたことである。この会社はCADを使いこなすレベルの文書管理のマネジメントがなかった。
十数年くらい前、ある大手自動車メーカーの補修部品の大倉庫に行ったが、音声入力など、いろいろな専門家が最新の設備を入れていた。しかし、そこの上級管理者は、ある部品群は手書きで入出庫台帳をつけていた。倉庫がいかに複雑化し、機械化しても入出庫台帳の原点を忘れてはいけないということであった。これが倉庫マネジメントの原点である。
ある中堅企業でISO9001取得の準備をしていた。ところが、管理責任者と製造課長の連絡がよくない。管理責任者は「イーメールした」という。聞くと、2人の席は隣同士であった。人間の面談による高度のコミュニケーション手段を軽視したIT化であった。IT化とともに、弱点をカバーすべきマネジメントが強化されず、コミュニケーション能力もマネジメント能力も低下した。IT設備は最新鋭のものであったが。 |