| 全政党、一挙に、公約を掲げた。しかし、今、国民が一番、直面している問題をどの政党も避けている。年金よりも大きな問題がある。それは国や地方自治体の膨大な借金である。これは郵政民営化も年金問題も同じ根っこにある問題である。
朝日新聞の夕刊に「私もワンフレーズ」という識者の今度の選挙についての短い感想が毎日、人が入れ替わりで連載されているが、この根っこの問題をふれたのは、29日の政治評論家の水谷研治氏だけである。
氏は、「3度の飯を2度にして」というワンフレーズで「安い税金と公共投資で生み出された今の景気は、財政赤字に支えられている。今は、国は、メザシも食えないのに、ビフテキやウナギを食っている状態」という。「3度の飯を2度にしてでも、借金を返済さなくてはならない状態である。本来なら、国債の利払いだけで公務員一人雇うカネもない。」と氏は言う。
氏はさらに、大改革をすぐやろうという政治家や政党がないのは、国民の責任。増税と言うと選挙に落ちるようでは、民度が低い。将来、子や孫に悲惨な事態を強いてはならないとしている。
2日後の朝日新聞では「候補者は『痛み』を語れ」という社説が出た。水谷氏と大体似たことを言っている。今、赤ん坊も含め、国民一人当たり600万円の借金を、早く返さないでほっておくと、累積し、水野氏も言うように今すでに、金利支払いだけで公務員に支払う金もなく、朝品新聞の社説の警告のようにインフレとなるだろう。インフレになると、年金どころの問題でない。日本経済全体が破綻する。そのときは、弱者が一番苦労する。
税金反対という政党は、弱者の味方ではないことになる。強者の味方である。税金を大企業からだけ取れといっても、景気と関係し、経済が停滞すると失業が増える。ここでも弱者がまた、一番苦労する。歳出カットしても、失業と経済停滞につながりかねない。すると税収も減るかもしれない。歳出カットが税収減少という悪循環になる。一筋縄ではいかない。大変な舵取りである。いずれにせよ、ビフテキとウナギは食えない。
しかし、どの政党もその「痛み」を語っていない。かなりの「痛み」が必要な実態なのにーーー。
しかし、金がないのに、なぜ、まだ、ビフテキやウナギを食えるのか、それは1つには、国が使える郵貯の350兆円があるからだ。ここに郵政民営化の問題がつながっている(このホームページの息抜きコーナーの2.政治・経済の「『郵貯崩壊』を読む:H16年11月2週号」参照)。それもあまり語られていない。 |