| 2000年の改訂では、用語定義がかなり整備されるが、一番、基礎的な「品質管理」の定義が難しい。2000年改訂のDISでは、付属書Aに図で、用語概念の関連図を示しているが、管理(マネジメント)の下に「品質管理」が来ている。しかし、一般に管理には、品質だけでなく、納期、コストがあり、これらは一体のものである。すなわち、1つのシステムである。そのシステムの1部分として品質管理をとらえないと、多くの批判を浴びることになる。 |
| どんなに,品質が良くても、納期に間に合わなかったなら意味がないし、無駄なコストで経営がおかしくなり、倒産したのでは、顧客に信用されない。ISO9000批判の1つに、部分最適化しやすいということは、品質管理システムが独立し、経営効率という観点を忘れやすいからである。無駄な文書の過剰はそれを意味する。実際、アメリカの自動車部品のISO9000であるQS9000は、「品質システム要求書」というタイトルでありながら、納期、コスト要求や在庫管理システム要求が含まれている。このように考えると、品質管理は、納期管理(日程管理)、原価管理と独立したものとして定義できるのであろうか。むしろ、マネジメントは、品質、納期、原価と区分するより、計画、統制、評価というようにステップ別にしたほうがよいであろう。計画段階では、品質、日程、原価(資源投入)が一体で行われ、統制でもそれらは一体でコントロールされる。評価も同様である。 |
| すなわち、管理はPDCAでまとめたほうが現実を反映した体系的なものになろう。品質管理、日程管理、原価管理は、実際の活動のそれぞれの側面を管理するスタッフ管理機能である。どうしても、部分最適化となりやすい区分である。現在、コンピュータのほうは、生産管理のかってのMRPをベースにしたERP(EnterpriseResurcePlanning)のように、どんどん、全体のシステム化が進んでいる。今度のISO9001:2000年改訂では、経営資源の内容が増加しているが、これなどは、生産管理システムなしでは、効率的なシステムを作ることはできないであろう。 |
| トヨタ生産システムを理解できないと、QS9000が理解できないと同様に、生産管理を知らないと、ISO9001:2000年版は、正確に理解できない。これは、従来からそうであったが、改訂でますます、強化される。審査員が追いつけないという問題が発生する確率が増大する。 |