| 以前、顧客から部品図面が来て、それを加工するプレス金型を作成し、顧客に納入している企業(A社とする)が、このホームページを見て、質問があった。それは、審査員が「顧客から部品図面が来て、それを見て、プレス金型を製造しているので、設計行為がない。」として、ISO9001が認められず、ISO9002を取得したということで質問があったのである。 |
| しかし、このA社の『製品』は金型である。したがって、「製品設計」は、金型の設計である。この場合、審査員は、「製品設計」も理解していない。しかし、その誤解の引き金は、顧客が描く部品図だけを設計行為としているからで、根は共通している。工程設計は、「製品の設計」に含まれないという審査員でも、A社のような企業の場合は、金型が「製品」なので、立派な「製品設計」であるという人がいる。このほうがまだ「製品設計」を正確に理解している。実際に、別な企業(印刷業)で、グラビア印刷のシリンダー設計を審査員が「工程設計」だから、設計ではないとして、「もし、シリンダーを販売しているのなら、シリンダーが製品だから『製品設計』である」と言っていた例がある。このほうがまだ理屈が通っている。このプレス型を販売しているA社は、2000年改訂のときにどうなるのであろうか。 |
| 次に、A社が、型だけでなく、ついでに、顧客が部品まで、プレス加工してくれるように要求が変わったとしよう。これはよくある例である。そうなると、「製品」は、顧客の部品図に描いたものになるので、型設計は、「製品設計」でなく「工程設計」になる。そうなると、設計行為は全く同じなのに、あるときは、設計であり、あるときは設計でなくなるという規格解釈となる。「カメレオン設計」である。ナンセンスな国際規格の解釈となる。逆に、今まで、プレス加工をしてその部品を納品していた企業が、一部、金型単体で、販売するようになったとき、「製品設計」が突然、現れる。「製品設計」は免除されない運命になる。しかし、設計業務は従来通りで、なんの変更がないのである。ナンセンスな問題となる。 |
| 数年前、アメリカのクライスラーが「ネオン」という新車を発売して、話題になったが、そのボディの金型は、日本からの輸出であるという。それは、ボディの品質が型で決まるからである。それほど、日本の金型技術は優秀である。しかし、この設計が「カメレオン設計」として、正しく、理解されていないのは、問題である。 |