サービス業の「契約内容の確認」審査事例(H12年3月4週号)
 自動販売機交換サービスの会社がISO9001の本審査を受けたとき、お付の審査員が始めてサービス業の審査をすることになった。自動販売機の交換サービスの顧客は、不特定客である。顧客は、自販機のボタンを押し、商品を購入する。厳密には、ボタンを押したときに契約内容の確認となる。サービス提供企業側には、サービス「受諾前」に確認し、記録するシステムが物理的に存在しない。
 そこで、その企業では、自販機設置場所を提供する特定客をISO9001の契約内容確認の相手とし、これを設置顧客とした。設置顧客はサービスを受けるのでないので、サービスの内容には関心がなく、マージン契約に関心がある。だから、後でマージン契約は文書化されるが、その前の設置要求は「置いていいよ。」と口頭であるのが習慣である。口頭だから、自販機サービス会社の方でメモによって場所、水道工事の有無などを確認し、そのメモを契約内容の確認記録とした。設置客の承認サインは、慣習的にやっていないので、顧客が嫌がることがある。だから、サインをもらうことは止めた。
 ところが、お付の審査員は、そのメモに設置顧客の承認印がないとして、不適合として指摘した。ISO9001のshallには、そんな要求はない。そして、さらに契約内容の顧客サインがないから、その不正確な顧客要求に基づいた設計管理は意味がないと言い出し、これ以上、審査をするのは意味がないので、帰えると言い出した。しかし、主任審査員が予備審査で合格とし、文書審査も合格としているシステムなので、その企業は、別な部門で審査中の主任審査員に連絡をとり問題無しとなった。
 この場合、このお付の審査員は3つの常識的なミスをしている。1つは、
 この事例は、審査員も慣れない業種を短い時間で審査するので相当、柔軟な思考とISO9001の正確な理解がないと正しい審査ができない事実を示している。