コンサルティング機関いろいろ(H12年3月5週号)
 あるISO9000コンサルタント機関は、認証まですべて一括請負って、審査にも出席し、もし、認証がとれないなら、費用は払い戻してゼロにすると言って売り込んでいるという。これは助かると、これに乗っかる経営者もいるようだ。それ自体、すでに、ISO9000不合格の経営者である。経営者責任が欠けているからである。認証をとっても身についていないから、継続能力に欠ける。大体、審査にコンサルタントが同席しても、企業側が答えるのであって、コンサルタントが答えたら、審査員は「貴方に聞いていない。」と言うだろう。そうかといって、自己流で作っても、大手型の真似で、後が大変なこともある。つかず、離れずの良いコンサルタントの選択が重要である。一括請負というコンサルティング商法を聞くと、バブルの頃、時流に乗って、おかしな金融商売が、はやったのと似ている。
 20年くらい前にトヨタの「かんばん方式」が流行した。あるコンサルティング機関が、どんな企業でも、6ヶ月でかんばん方式を導入するというコンサルティングを売り出した。ある企業で、それに飛びついた。他人にまかせて、かんばん方式で効果が出るというイージーな経営者の発想が問題なのに気がつかなかった。経営者がまかせきりなので、当然、6ヶ月になったが、かんばん方式は定着しない。コンサルティング機関は「お宅のレベルが低いから仕方がない。」と言って去ったという。そのとき、その経営者に会ったら「そのコンサルティング機関にだまされた。」と言っていた。私は「その売り込みを見破れなかった経営者も問題だ。」とその経営者に言った。「絶対、この株式は上がります。」と言って売り込む、株式のセールスがいて、それに乗せられ安易に株を買ったら、買うほうも問題である。もし、下がっても、セールスに責任転嫁はできない。そういう人に限ってセールスのせいにする。
 ISO9000も同じである。本来、ISO9000の認証は、企業が自己のシステムがISO9000の基準に合致していることを、自信を持って審査員に説得することである。その訓練が基本である。審査員に指導してもらうのではない。管理責任者の任命も、94年版では、「自己の組織内の管理者の中から責任者を選出し」と追加改訂された。自主性重視である。品質は外部が作るものでなく、企業自身のシステムで作るものである。2000年改訂では、経営責任がますます、厳しくなる。その経営責任者のISO9000理解度テストの第1は、コンサルティング機関の選択姿勢である。
 4月第1週は、4月1日に成田を出発、ロンドンに直行し、1週間、イギリスのISO9000取得企業を数社視察する。中小企業も含まれている。また、ISO9000の専門家にも会う予定。4月9日に帰国予定。限られた時間であるが、「百聞は一見にしかず」で、何かの発見があるかもしれない。あるいは、予想された問題を確認するだけかもしれない。無事に帰国し、何か伝えるべきことがあれば、このホームページで報告の予定である。