イギリスのある板金メーカーのマニュアル改善例(H12年4月3週号)
 今回、イギリス訪問で、従業員45名の板金メーカーがあった。1984年にISO9000の前のBS5750を認証取得した。しかし、どうも価値がない(これをVALUELESSと言っていた)ということで、悩んでいたという。ところが、1991年に会社のDirectorが日本に視察に行き、トヨタ方式を勉強してきた。そして、自主検査、U字型のラインの導入をし、同時に、ISO9000の見直しをして、最初、50頁くらいあったマニュアルを20頁くらいにした。管理規定もなくなった。そして、マニュアルをコンピュータに入れ、画面で閲覧できるようにした。私も画面で見せてもらった。配付管理も不要になった。大体、マニュアルを手元において、仕事をするということは意味がないことである。自動車を運転するのに、一々、マニュアルを見ていたのでは、かえって危険である。しかし、慣れない目的地に行くには、地図が必要でこれは図面である。これは、きちんと見て仕事をしないと危ない。この使い分けがポイントである。これは私の「50人以下の会社のISO9000取得マニュアル」にあるノウハウと同じである。人の考えることは、同じであることを痛感した。
 要するに、カイゼンという発想が、現場の作業だけでなく、管理全体に検討が浸透した結果である。最終検査も専任検査員でなく、作業者が検査していた。優秀な企業として表彰もされていた。品質マニュアルの頁は、私が考えたものよりはるかに少ないが、読んでみると、これを日本語にすると、かなり頁数が増加すると推測された。英語の本を和訳すると、頁数が増加するのと同じである。大体、日本語では、管理規定ゼロにすると、品質マニュアルは、ISO9001で50頁くらいにはなる。これを英語にすると、20頁くらいになるのではないか。イギリスは、このように中小企業も早くからISO9000を取得しているが、やはり、身軽にしないと、継続ができないという事実を目のあたりにした。
 後日、印刷の企業も管理規定ゼロであり、計測器の中小企業は350頁の管理規定を無くす検討を進めていたが、不思議というか、当たり前と言うか、これらは、日本のカイゼンを学んだことでヒントを得たことが共通している。