ISO9000は、守りのシステムか?(H12年4月4週号)
1. ISO9004:1987とISO9004−1:1994の改訂とQMSISO9004
:1987の序文から、適用範囲までに、7つの品質管理システム(QMS)という用語が使われており、気に入っていた。ところが、1994年の改訂で、ISO9004−1:1994を見ると、この序文と適用範囲の内容は変りないのに、きれいに7つのQMSが品質システム(QS)に修整されていた。これには驚いた。一歩後退である。
 何故、こうなったかは、後で分かった。すなわち、ISO9001/2/3とISO9004の位置付けを明確にするため、これらは、品質保証(QA)のためのQSであり、ISO9004は、同じQSであるが、品質管理のためのQSであるとしたためとのこと。
すなわち、
ISO9001/2/3は  QAのためのQS
ISO9004は  QMのためのQS
 しかし、これもおかしいことである。何故なら、QSは、品質管理のためのシステムである。ISO8402の定義では、QS=QMSである。
これを上の式に代入すると
ISO9001/2/3は for  QAのためのQMS
ISO9004は  QMのためのQMS
という訳の分からないものになる。
 ところが、今度、改訂版ではQMSに逆戻りであり、ISO900T本文まで、QMSとなり、逆にQSは消滅した。どうしてこういうようにフラフラするのか。
2. 品質保証と品質管理の違い?
 この原因は、1つにISO9000規格は、品質保証の規格で、カイゼンを考えていないということからくるようだ。しかし、品質管理は有名なデミングサイクルのPDCAでおなじみであり、このサイクルで、スパイラル的に品質が向上するからこのサイクルを回すのである。すなわち、品質を向上できるシステムがあるから、顧客の立場に立っても、管理が良く、品質が保証できると考えるのである。
 今回、イギリスを回って、品質改善にISO9000を有効利用しようとしてトヨタ方式を吸収しようとしている2つの企業にぶつかった。それは、ISO9000の条文を守ることで十分である。特に、「4.13 不適合品の管理」から始まり「4.14 是正処置及び予防処置」までは、普通にやると、それだけで大きな品質改善になる。せっかくの審査費用をかけ、企業の業績向上につながらない品質保証とは何か。そんなものは存在するのか。紙だけ増え、品質が向上せず、嘘の審査向けのデータを作って、品質保証ができるのだろうか。
 イギリス人は、功利主義の国である。訳のわからないイデオロギーはないようだ。