中小企業のISO9000準備の参考書選択ポイント(H12年5月第1週号)
 4月26日に栃木県のアークテック株式会社が、中小の建設業のためのISO9000の取得のためのセミナーを開き、40人ほどの人が集まり盛況であった。その講師として、招かれ、1時間半ほど、講演した。準備が悪く、OHCの調子が悪かった。
 講演で、特に強調したのは、いろいろな参考書があるが、中小企業では、悪い参考書を選ぶと、大きな失敗の元となるので、注意すべき最大の問題であることだ。最良の参考書は、ISO本部発行の「中小企業のためのISO9000;ISO/TC176よりの助言」(日本規格協会訳発行)である。
 ここには、次のように書いてある。
1. 企業は規模の大小を問わず、すでに確立されたシステムを持っている。
2. 品質システムはこのシステムの特徴を明らかにするものであって、何か全く新しいシステムを課するものではない。
3. 大多数の企業は、ISO9000が要求する活動の多くをすでに実施している。
4. 新しい経営方法を課することでないので、次のステップは、現在何が行われて行われているかを観察することである。すなわち、何がすでに行われているか、どんな文書や様式が存在するかを観察することである。
5. これは事業活動の変更でなく、また、新しい文書業務の導入ではない。
6. 多くの場合、既存の文書の若干の修正でISO9000の要求を満足できる水準まであげることができる。
 なお、マニュアルの参考例を書いた本があるが、「関連規定」と書いてあるマニュアル例の本は参考にならない。何故なら、それは大企業型であり、肝心の知りたいその「関連規定」の例が全部書いてないからである。ましてや、管理規定ゼロ、品質保証体系図ゼロ、QC工程表ゼロ、配付台帳ゼロ、文書番号ゼロ、マニュアルの頁ごとの改訂番号ゼロという中小企業の具体的なハンドブックは、私の「50人以下の会社のISO9000品質マニュアル」しかない。この出版社の社長の岡田社長からは、「そんな簡単なシステムでISO9000がとれるのか信用できない。」という問い合わせの電話が多いと言う。岡田社長は、すでに、ISO本部のガイドラインにそって、その簡素なシステムで7つの中小企業が認証を得ているという説明をしているという。いかに他の参考書の弊害が多いかを示している。
 また、いろいろな解釈が著者の解釈で、その裏づけに、ISO9000のガイドラインなどの引用がないものもある。これも良い参考書でない。