ISO9000準備の遅れも管理力の問題(H12年6月第3週号)
 最近、100名くらいのA・B・C3社が、偶然であるがISO9000準備が大幅に遅れているのを目のあたりに見た。
1.A社の場合
 99年1月キックオフでスタート。6月1日にシステム全面稼動という余裕のあるものであった。しかし、準備の進捗管理がよくなく、大きく遅れ、専任課長は、責任をとって、10月で退職。11月に仕切り直しをして、2000年の1月1日に再スタート。ようやく、6月予備審査決定までこぎつけた。毎週、課長以上が集まって、進捗を管理するのであるが、準備日程の遅れが明確になっているのに、社長以下、挽回策を講じないで、会議を終わっていた。最初、日程に十分余裕があったのに、これを食いつぶし、遅れとなった。これで専任課長が孤立し、退職となった。
 準備の日程(Plan)があり、進捗結果(Check)があるのに、アクション(Action)がなかった。品質管理システムを作り上げる過程で、進捗管理システムのPDCAが回らなかったのが原因である。管理力の問題で、同じ管理システムのISO9000の取得後も問題を残しそうである。
2.B社の場合
 99年5月スタート。半年準備を進め、今年1月1日完全システム稼動を計画していた。ところが、リーダー不在。管理責任者は、進捗管理に関心がなく、誰も全体のリードを実務的にせず、半年の間に次第に遅れだし、1月1日全面稼動が駄目になり、4月1日完全稼動に修整。3ヶ月遅れ。これも社長も含め、リーダー不在。進捗管理のPDCAサイクル無しである。
3.C社の場合
 99年7月スタート。約9ヶ月の準備期間で、余裕があったが、積極的な動きが少なく余裕を生かせなかった。今年1月からの最後の追い込み段階では、3ヶ月間の詳細な日程計画を立てたが、その消しこみをしないで、毎週会議を行ったので、進捗会議にならなかった。そのため、ジリジリ遅れ、4月1日スタート予定が2ヶ月延びて、6月1日となり、6月末に予定していた予備審査も延期された。
 3社とも、社長以下、リーダー不在。そして、進捗管理の実務の軽視(計画の消し込み、進捗のまとめ、挽回策の決定、追いかけというPDCAサイクル)が、不在である点が共通している。品質「管理」のPDCA体制を確立するISO9000の準備の進捗「管理」に、PDCAがないため、遅れるというのは、一面、皮肉である。「管理」力の問題であることが共通している。