| 2000年改訂で、改善が明確に追加されたが、この継続的改善は、技術的改善でなく、品質管理システムの改善であると明記してある。そのためか、これを強調している解説書が多い。しかし、付属書Bの現行の1994年版との比較表を見ると、ここでは、現行の「4.1.3 マネジメント・レビュー」と「4.9 工程管理」を対応させている。マネジメント・レビューは、現行でも品質管理システム中心の見直しであり、定期的に行うように継続性を要求されている。したがって、特に、2000年版で強調されることはない。問題は「工程管理」との対応である。これは、管理システム的というより、技術的な改善がからむ。 |
| さらに、「8.5.2 是正処置」には、「不適合の再発防止を確実にするために行う必要な活動の評価」とある。これは、現行の「効果的」というあいまいな要求に対し、より明確に再発予防を強調している。これは「8.5.3 予防処置」も同じである。これに注目すべきである。この場合、不適合「品」の再発防止の改善には、技術的改善しかない。「訓練システムの強化」だけでは、再発する。ポカヨケ発想が必要である。現行の「効果的」というeffectiveの和訳は、「対策の確実な実施」を意味するのか、「再発の根絶」を意味するのかあいまいであったが、改訂版では明確に両者を明記している。不適合品の再発の根絶には、ポカヨケを含め、技術的改善しかない。 |
| ある工場で、「不適合品が発生したら、初発か再発か区別したらどうか。」と提案したら「全部、再発です。」という返事が返ってきた。こういう場合、そのための改善は、長期的な品質目標で扱うしかないであろうが、そうなると、継続的な技術的改善が要求されることになる。2000年改訂では、「5.4.1 品質目標」で、「品質目標は測定可能なものであること」とある。現在でも、多くの企業では、クレーム件数の減少や、不良率の低減を目標としているが、これは測定可能である。しかし、測定可能なこのような目標を達成するには、継続的な技術改善が不可欠である。品質管理システム改善だけでは達成できない。 |
| 環境のISO14000も濾過装置や廃液処理の設置などの技術的な対策がないと汚染物質を減少できないのと同じである。藤沢の荏原製作所でのダイオキシン問題では、その解決として提示された改善の多くは、装置の新設、改造が中心であるのは理解できる。継続的な改善は、品質管理システムだけだと言う解釈は、実際には無理がある。 |