| 1. 保存の独立 |
| ISO9001の初版では、保存は「4.15.4 包装」に含まれており、「受入時点から供給者の責任が終わるまでの間、全製品の識別、保存処理、区分けを行う。」という要求があった。 |
| これが、94年版で、保存が独立し「4.15.5 保存」が新たに生まれ「製品が供給者の管理下にある場合、供給者は、製品の保存及び区分けのために適切な方法を講ずること。」という要求となった。 |
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| 2. 3つの異なった解釈 |
| (1) |
解釈A |
| 保存とは、品物に防錆剤を塗布したり、ICの静電防止などして、劣化を防止して保管することであるという解釈である。87年版の文章の分離・移動から、「供給者の管理下」は、当然、「受入時点から供給者の責任が終わるまでの間」を意味する。 |
| これは、私が94年に英国圏の主任審査員のインストラクターに質問して、具体例を聞いたのも同じであり、日本では、一番認証数が多いJ審査機関の解釈も同様であった。97年に発行されたISO9000―2:1997の指針も具体例をあげており、この解釈Aにそっている。これが正しい解釈である。 |
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| (2) |
解釈B |
| これは、「4.15.5保存は、4.15.6出荷の前にあるので、完成品の出荷前の保管を意味し、未完成品との区分けを要求している。」という解釈である。「受入時点から」が消えている。 |
| これは、こういう解説書が出版されたので、混乱を招いた。 |
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| (3) |
解釈C |
| これは、「顧客に売り渡されて、供給者にもどって来た製品を保管することをいう。」というものである。これは、P審査機関だけの解釈であり、これで審査や指導をしている。この解釈だと、「4.7 顧客支給品」と混同を起こす。事実、ISO9000本部では、顧客からの修理依頼品は「4.7 顧客支給品」扱いという解説なのに、P機関では、顧客の修理依頼品は「4.15.5」の保存品となる。P機関では、この解釈が次第に肥大し、顧客がA社、B社、C社のいずれかかから購入してくれという要請があった場合も、たとえ、自社購入でも、顧客支給品になる。 |
| 上記の解釈の違いは、解釈Cは、異常としても、「保存PRESERVATION」の英語独特の意味から来ているので日本でのISO9000の特異現象の1つである。こういうのは、英語圏の専門家に聞けばいいのである。「聞くは、一時の恥じ、聞かぬは、末代までの恥じである。」P審査機関は特殊としても(それでもこの解釈を押し付けられて認証を得ている企業は100を超えるであろう)、日本では、審査機関、審査員、コンサルタントは、3つの異なった解釈のグループに分かれて活動していることになる。 |
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| 3・SEGREGATIONの意味 |
| 保存と関係して、「区分け」という訳がある。これは、「4.13.1」では、「隔離」とも訳している。「中小企業のためのISO9000:ISO/TC176からの助言」には、隔離の事例として、菌の伝染防止の隔離、酸やアルカリ物質など腐食性の材料の隔離があげられている。その意味では「保存」には、「隔離」が分かりやすい。 |
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| 4.20000年改訂での「保存」 |
| すでに、CD1でもCD2でも、保存は、「受入から供給者の管理下にあるまで」と明記されている。解釈Aしかなくなる。解釈B、Cは、もともと英語では存在しなかったので消え去る運命である。2000年改訂のとき、修正するのであろうか。 |
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