| K 氏: |
当社は地質調査会社です。製品は成果品(調査報告書)が基本です。そのほかに、関連して土留めなどの土木構築物の設計図書までの依頼もあります。一部、工事もあります。
このHPの2000年版項目別分類コーナーの7.1の「製品実現化プロセスと製造及びサービス提供プロセスの混同:H13年3月2週号」)に関して、まず、2つ、お伺いいたします。
| 1. |
当社の「製品実現計画A」は、7.2→「7.1」→7.5(7.3)と続く
全体の流れを構築すると考えてよいのでしょうか?「7.1」とカッコ付きで書きましたが、「個別製品の製造計画」 (工程設計に類する?)の意味で、7.3が7.5と並列に出てくるのは、
設計業務(7.5の中身が設計行為である)と考えられるからです。 |
| 2. |
もう一つ、7.5.1では、「組織は、 製造及びサービス提供を計画し」と、ここで「計画」が出てきます。
この「計画」とは、何を計画することなのでしょうか? まさか、ここでまた、7.1の「個別製品の製造計画」とは考えにくいのですが?
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| 私のコメント: |
1の質問で「7.1」と括弧をつけたことと、7.5(7.3)と表現した理由に誤解があります。まず、「製品実現計画B」は工程設計ですから、製品設計の後です。次に、7.3の製品設計業務と7.5の製品製造業務は本質的に異なります。ですから、7.2→7.1(製品実現計画A)→7.3→7.1(製品実現計画B)→7.4→7.5となり、「製品実現計画A」は、7.2の後、行われ、7.3から、7.5の流れを構築します。
2の質問の7.5.1の「計画」は7.1の「製品実現計画B」のことでなく、これに基づく測量、調査、製本、工事などの実施日程計画(作業指示書など)のことです。
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| K 氏: |
しかし、測量や地質調査は、「設計へのインプットを収集する仕事」であり、7.3の前に
7.5があるのでは?もっとも、ある設計コンサル会社のように「ウチの7.5は製本だけ」と言い切っている意見もあります。
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| 私のコメント: |
測量や調査は「7.3.2 設計のインプット」ではありません。設計プロセス中の情報収集で、設計活動の一部です。「設計のインプット」は設計プロセス開始前に存在します。また、設計コンサル会社の「ウチの7.5は製本だけ」は正解と思います(このホームページの2000年版項目別分類7.3の「2つの妥当性確認の混同
:H15年5月1週号」参照)。「7.3」と「7.5」との本質的な違いは、7.3は試行錯誤の意思決定プロセスですが、7.5は7.3で決まったことを一義的に忠実に実行するだけです。これを正確に理解するには、経営工学の設計管理やVA/VE(価値分析/価値工学)の素養が必要です。VA/VEは、この試行錯誤のプロセスに目をつけ設計アウトプットを改善する手法です(このホームページの2000年版項目別分類の7.3設計の「頭を使わない設計事務所?:H15年12月2週号」参照)。ISO9001は経営学や経営工学の歴史の延長線上にあります。
工程設計も、設計の一種なので、工程に関する技術的な試行錯誤があり、試作も必要です。だから、本来、7.3の設計として扱うほうが適切です。7.5.1で製造を実施しているのに、その後の7.5.2で製造前に行なうべき妥当性確認を行うというのは、おかしな順序ですね。だから、7.5.1の計画の意味が混乱します。7.5.1の計画は、工程設計終了後ですから、技術的な試行錯誤や迷いはありません。
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| K 氏: |
当社の解釈で混乱を来している点は、土木構造物の設計は設計基準で明確で、概略設計、詳細設計と、設計の段階が進むにつれ、「製品の設計」をやっているのか、「工程設計」(即ち仮設から本施工、復旧までの工事の手順)をやっているのか、わからなくなります。当社の主たる業務である「調査」は、おっしゃるとおり「設計の下請け仕事」で、設計コンサル会社の指示で調査をする場合もあります。
下水道の詳細設計では、設計流量に基づいて、管渠の材料まで細かい規定があり、「製品」を「下水管路」とすると、製品設計者は「設計流量に基づき管渠の径と材質を選択しただけ」となり、審査員から「あんた、何を設計したんですか?」という話になります。
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| 私のコメント: |
通常、どの業種でも設計はある基準があり、その選択・組合せ行為です。毎回、ノーベル賞をもらうような新規のものはありません。(このホームページの審査/コンサル経験談の2.審査現場の問題事例の「あるサーベイランスシーン・その3:H14年6月4週号の3」参照)。「製品設計」と「工程設計」の違いは、前者は完成品の設計、後者はその完成品に至る工程の設計です。貴社のいう「製品の詳細設計」が「工程設計」に当たるようです。
貴社の製品実現プロセスが、1種類でない実態なのに、無理にシステム設計を7.2→「7.1」→7.5(7.3)と1つの流れにしようとしたので混乱しているようです。したがって、下表のように3つに分けて管理システムを設計すると、社員がISO9001:2000と自社の関連を明確に理解できる表現になると思います。
Cの流れの議論をしているのに、Bの流れが頭にあると効果的な議論になりません。
貴社の場合、大部分の受注がCタイプと思いますが、この場合7.3はありません。
量産企業の場合、新製品と繰返し製品の2つの区分例がありました(このホームページの新着ニュースコーナーの「新製品と繰返し生産の2つの異なった製品実現の流れ:H17年11月3週号」参照)。量産タイプで6つの区分になった例もあります。
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