設計管理規定の必要の有無についての議論
(H18年4月4週号)

A 氏: 管理規定ゼロのことですが、文書をあまり減らすのは、問題と思います。管理の詳細な手順を何らかの形で残しておく一つの手段として文書化は必要と思います。

私 : 抽象的な一般論でなく具体な例で議論したほうが、効果的だと思います。

A 氏:

では、当社の設計・開発のレビュー(以下DRとします)の手順で具体的に説明します。品質マニュアルでは次のようになっています。

7.3.4設計・開発のレビュー(DR)
設計課は設計・開発ステップの適切な段階でDRを開催し、設計が顧客のニーズを満たす上で適切かどうかレビューする。レビュー実施部門は結果を記録する。詳細は「DR管理規定」による。

というように、詳細は別の規定にふっています。十数頁の「DR管理規定」にはDRの計画、実施、指摘事項、指摘事項の方向付け、方向付けの実施結果等の運営管理の手順が記載されています。ここのところは一冊の品質マニュアルには書ききれないので、別に管理規定が必要ではという考えにつながっています。


私 : 「DRの計画、実施、指摘事項、指摘事項の方向付け、方向付けの実施結果等の運営管理」が管理規定に文書化されていると言われますが、新製品は多数あり、十数頁の「DR管理規定」だけではその個別の技術内容をカバーできない膨大な技術文書があります。しかし、「DR計画・記録書」には、レビュー項目欄参加関連メンバー欄評価欄処置欄などがあり、その記入内容は技術的内容ですから製品によって異なり、多くの場合、いろいろな技術データが添付されたりするかもしれませんが、それは「DR計画・記録書」の対象となる製品の技術内容のバラエティの反映に過ぎません。DRで重要なのは、その個々の製品の技術的な中味であって、マネジメント手順ではありません。
したがって、これら多くの製品の管理手順のほうを文書化するとすれば「設計担当者は『DR計画・記録書』で計画し、実施し、必要あれば処置をとり記録する。」で終わりです。
どうも、問題は管理規定の文書化が必要かどうかということでなく、その根底にマネジメントシステムの手順と、個別製品の技術文書の混同があると考えられます(このHPの基礎知識コーナーの「1冊マニュアルとは?:H18年3月1週号」参照)。さらに、その根底には、マネジメントシステムと製品実現システムの混同があるように感じます。私のHPの基礎知識コーナーの「品質マネジメントプロセスと製品実現プロセスの関係質疑・その1/2、A氏とのやりとり(H17年8月5週号)」「鵜」「鵜飼」との関係が混乱しているように思います。

A 氏: そう言われれば、システム設計のとき、マネジメントシステムと個別の技術的な設計システムの区分が混乱しているようで、「鵜」「鵜匠」の関係を見直してみます。ISO9001:2000は「鵜匠」の規格であることを頭の中に入れて検討してみます。