環境側面の特定方法の議論
(H18年5月2週号)

T 氏: 当社は本社と3工場の4事業所をISO14001の適用サイトとして一括で認証しています。各事業所単位ではなくセンター機能をおいて進めております。審査の場では全社の環境側面と事業所の環境側面、全社の目標と事業所の目標があるべきという考え方が支配的で、そのため、必ず変な方向にそれてゆきます。当社にしてみれば、全社か事業所かなんて区分を無理につけても意味がない(絶対重複します)ですし、縦割りになりますので、当社の環境側面、当社の目標という考え方を毎回説明している状況で、嫌気がさしております。私としてはなぜそんな意味のないことを言うのかわかりません。中にはそれが一括取得のメリットと言う人もいます。何か良い対応策などありましたらコメントして下さい。

私のコメント: ISO14001:2004は、ISO9001:2000と異なり、趣旨からしてサイト別が基本です。そうしないと、マネジメントシステムの確立、維持が意味ないと思います。環境方針は統一でよいでしょうが、環境側面はサイト別に異なるのが通常だからです。
ご質問と逆の例で、ある大手の工場の例ですが、同じサイトに2つの事業本部があり、ISO9001:2000は事業本部別の2つの独立したマネジメントシステムですが、ISO14001:2004は一本化して同じマネジメントシステムです。 一括取得であろうと、サイト別の審査になることは変わりないと思いますが。なぜ、サイトを無視するのかの理由がよく理解できません。

T 氏: 説明が不十分でした。基本的にはサイト毎の活動がメインであることは理解しておりますし、実際そうしております。環境方針に対する会社としての環境目的があって、サイト別の具体的な環境目標があります。これには、全社で取り組む活動もありますし、サイト独自あるいは連携して取り組む活動もあります。これを当社の環境目的・目標としてまとめています。環境側面についても同様に、サイトの環境側面と製品サービスの側面をまとめ、当社の環境側面としています。
例えばA工場で加工、B工場で処理・検査といったように同じ製品がまたがるものが多くあります。
困っているのは、「全社の環境側面、全社の目的・目標」と「サイト毎の環境側面、サイト毎の目的・目標」が別々に書いてないと、審査員は気に入らないということです。審査の場で論争になり、当社なりの考えを持って思ってまとめているのが気に入らないのです。8年前位の右も左もわからないEMS構築当時はそういうモノと思い、各サイトにおけるムダな書類をムリに作成した後遺症で、今、大変苦労しています。

私のコメント: この場合、A工場と、B工場とはサイトが違うと思いますが、工場間を製品がまたがって生産されていても、環境側面はサイトが違うので無関係と思います。同じ廃棄物をサイトが違う工場間でまとめて処理することはありますが、これは処理方法であって、環境側面の特定には無関係です。
製品系列で問題になるのは、環境改善に設計が関係する場合ですが、これは環境目的や目標の設定段階で、環境側面の特定には無関係と思います。加工の環境側面と処理・検査の環境側面が異なるからです。電力消費など、同じ環境側面でもサイト別に測定値も違い、責任も違うと思います。
また、環境側面の特定、著しい環境側面の決定、環境目的・目標の設定というのは、段階が異なると思います。第1段階の環境側面の特定はサイト別、第2段階の著しい環境側面は全社的な見地から決めるにしても基本はサイト別、第3段階の環境目的は全社共通でも、目標はサイト別というように段階によって異なると思います。
何か、わざわざ、複雑なシステムにしているような気がします。
審査員がおかしいなら、反論するか、審査機関のマネージャーにクレームをつけるか、審査機関を変えるか、泣き寝入りするのか、いずれを選択するしかないですね。
会社のためには、泣き寝入りは選択できないでしょうが。