5.1.a) のJIS訳の疑問点
(H18年6月2週号)

A氏: このHPのISO9001項目別分類コーナーの5.経営者責任で「審査における5.4.2 a)の解釈についての討議:H17年10月1週号」で議論が展開されておりますが、同様な事を他の個所でも感じております。

それは、5.1.a) の「法令、規制要求事項を満たす事は当然のこととして、顧客要求事項を満たす事の重要性を組織内に周知する」という箇所です。

ここの、「…は当然の事として、…周知する」と言う言葉の意味が分かりにくいと思います。そこで、英語を当たってみたところ、そう言う意味ではないのではないか、と思いました。
5.4.2a)での議論と同じく、as well as の翻訳間違いで、「法令、規制要求事項を満たす事と同様に、顧客要求事項を満たす事の重要性を組織内に周知する」ではないかと思います。法令、規制要求事項には冠詞もないから、特定のものを示すのではないし、「一般の法令、規制は重要だから社内に周知するでしょ、それと同じように、大事なものとして扱いなさい」、と言っていると解釈します。
5.1.b)以下の内容と対比しても、法令、規制要求事項を満たす事と、重要性を組織内に周知する事が、JIS訳の様に、並列的に示されているとは考えられません。


私: この5.1のa)の解釈は言われる通りで、A as well as Bの場合は、主体がAであり、BはAに対する付属的な説明です。日本語に訳すときは、逆の順序になり、Bから始まるので、Bが主体になる感じを受けるので気をつけないといけない表現ですね。
この場合、顧客要求事項を満たす事の重要性を組織内に周知するが主体となります。この訳は誤解を招きやすいですね。

なお、5.4.2のa)のほうは、“, as well as”と前にコンマがあるので、この5.1のa)のas well asの形式と異なると思います。as well as the planning of the way to achieve the quality objectives というように、文章的にも独立していると思います。

いずれにせよ、5.1.a) のJIS訳の「当然のこととして」は意訳ですが適切ではないように思います。