経営責任者のPDCA
(H18年8月2週号)

A氏: PDCAサイクルというのは、いろいろなレベルで考えられるために、混乱しやすいが、経営責任者自体のPDCAサイクルとして、具体的にどういうことが考えられかね。

私: 会社レベルで言えば、Doは製品実現の活動だ。自動車メーカーは自動車を作り、食品メーカーは食品を作る。
ところが、経営責任者個人のDoは、作業現場で作業をすることではないことは明らかだ。小企業では、経営責任者が現場で作業をすることがあるが、それは経営責任者としてのDoではない。兼任しているだけだ。

A氏:

純粋な経営責任者のDoとは何かね?

 

私: ISO9001:2000の「5.経営者の責任」に書いてあることは、皆、経営者がなんらかのレベルでDoをすることが要求されている。
例えば、品質方針を設定するというのは、Doの1つだ。それをどのようにして、いつ設定するかを考えるのが経営責任者自身のPlanだ。
だから、「5.6 マネジメントレビュー」は、経営責任者自身のPDCAのcheckではない。Doだ。チェックを自ら行うからだ。
マネジメントレビューを何時行うかを計画Planし、Doし、計画通り行ったかをチェックする。マネジメントレビューを計画通りしたかのcheckをする。
5.1から5.6のうち、「確実にする」とある項目(このHPのISO14001規格関係コーナーの「ISO14001:2004のマネジメントレビュー:H18年3月5週号」参照)は、下に経営責任者が自分で行うDoをやらせることがある。
そうすると、監視及び測定はそのまかせたことが意図通り行われているかということになる。
経営責任者は、マネジメントシステムの最高に位するから、日常、経営責任者を監視及び測定する者はいない。それでは、マネジメントシステムとして「聖域」になるので、内部監査で監視及び測定が行われることになる。

A氏: マネジメントレビューは、経営責任者個人ではDoだが、経営レベルではcheckだ。よく毎月の幹部会議に出るというのは、Planがあって、それに出席して監視及び測定のDoを行うということになる。
この場合、監視及び測定の対象が経営レベルのDo(現場の活動)でなく、経営幹部や中間管理職の活動となるね。

私: それから、PDCAサイクルとインプット・プロセス・アウトプットモデルは合わないね。インプットにもPDCAがあるし、プロセスにもある。アウトプットにもある。
複雑になるだけだ。
要するに、基本は、経営レベルのDoだけを明確に把握することだ。そこから真の製品の品質が生まれるからだ。「品質は設計を含む工程で作られる」だね。
後は、いろいろなレベルでPDCAがあるが、それと経営レベルのDoとを混同しないように注意すれば、この泥沼に陥ることはないだろう。