中小企業のISO継続効果とマネジメント力
(H18年8月4週号)

中小企業はいかに簡素化したシステムでも、トップと管理責任者がしっかりして継続性をもっていないと、システムが崩壊しやすい。マネジメント力の差が出てきたようである。

  1. V社
    数十人くらいの部品製造メーカー。ISO9001:2000とISO14001:2004を統合したシステムで3年前に取得。最初から、今までのコンピュータの生産管理システムを中心に簡素なシステムで取得したので、維持は問題なかった。そして、因果関係は明確でないが、取得とともに顧客クレームは激減している。
    先月、更新審査となったが、不適合ゼロで終わった。社長以下、システムに自信を持ち中堅幹部がしっかりしている点が強みである。

  2. K社
    V社と同業で規模は30人くらい。V社の紹介でシステム構築を支援した。まだ、2年目であるが、ここも顧客クレームは激減した。因果関係が明確でないが、職場が非常に整理されたように感じた。ここは管理責任者がしっかりしており、これを支えている幹部がいるので維持は当座、問題ないであろう。

  3. S社
    20人くらいの中小企業。数年前にISO9001:1994を取得。社長が熱心であった。大手からスカウトした管理者がいたが、リーダーシップに乏しく、審査に弱く、このためか、従業員が審査嫌いとなっていた。簡素なシステムで動いていたので実務的に継続は問題なく、ISO9001:2000への移行も円滑であった。その後、ISO14001:1996へ統合した。ISO14001:2004移行前に社長がなくなり、かつ、管理責任者が定年となった。ここから、維持がおかしくなったようである。

  4. D社
    20人くらいの会社。数年前にISO9001:1994を取得。このとき、審査直前に管理責任者が病気で倒れ、あわてて別の人を立てる。ISO9001:2000への移行は、この管理責任者で行った。しかし、社長が実務的に動いていないため、マネジメントレビューなどやっていなかった。ISO14001:1996を取得したときには、その管理責任者も定年で辞め、3代目の管理責任者で取得した。
    その後、ISO14001:2004への移行のとき、OHSAS18001:1999を同時に取得したいということになった。3代目の管理責任者は退職していた。
    しかし、社長の4代目の管理責任者の任命が不明確でISO9001:2000とISO14001:2004のシステムは崩壊していた。簡素なシステムなので復活は早かったが、社長の姿勢に継続性について弱いという問題を残した。

  5. T社
    3年前、ISO9001:2000を取得して6月に更新審査となった。直前に3年ぶりに訪問した。ところが5月に管理責任者が退職。内部監査もウソの記録。マネジメントレビュー記録もなく教育訓練記録もないなど、2年目まではきちんとやっていたのが3年目で崩壊。なんとか立て直して、更新審査は不適合が軽欠点2つで一応OKとなった。