有効性と効果的との混乱
(H18年9月1週号)

A氏: ISO9001:2000の8.5.1の継続的改善は、厳密には「品質マネジメントシステムの有効性(effectiveness)を継続的に改善する」とあるね。すなわち、継続的な改善に制約が入る。

私: そうね。品質マネジメントシステムに限定され、かつ、その有効性に限定される。
2つの制約があるね。「継続的改善」に制約が入るね。これは5.3の品質方針b)も2つの制約が入る。
但し、ISO14001:2004では4.2の環境方針のb)では、この2つの制約がないことだ。これはマネジメントレビューのアウトプットもISO14001:2004のほうはこの2つの制約がないね。要注意だね。

A氏: ところが、8.2.2のb)の「品質マネジメントシステムが効果的に実施され、維持しているか」という要求に、「効果的」とある。これが問題になって、改善指摘のない内部監査はダメだという解釈となることがあるね(このHPのISO9001項目別分類コーナー8.2.2「改善提案なき内部監査は不適合? :H15年12月4週号」参照)。
元の英語はeffectivelyだから、「有効性」と同じ意味なんだが、「効果的」とすると一人歩きするようになるね。

私: 「効果的」を「広辞苑」でひくと「効果のあるさま」となる。「効果」をひくと「ある行為によって得られた、期待通りのよい結果ききめ。」とある。
大体、ISO9000:2000の用語定義「3.2.14:有効性」の「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」とあるね。

A氏:

英語の定義には、日本語の「よい」がないね。「期待通り(計画した通り)の結果かどうかの程度」が英語の定義だ。

 

私:

だから、英語的には「有効性がよかった」「有効性が悪かった」と言えるが、日本語的には「有効性があった」と言えば、「有効性がよかった」しか意味しないようだね。

 

A氏:

それが「効果的」になると日本語的には「よい結果」だけの意味になる。

 

私:

逆に「有効」を「広辞苑」でひくと「ききめのあること。効力のあること。役に立つこと。」とある。

 

A氏:

すべて暗黙のうちに「よい効果」という意味しかないようだね。

 

私:

だから、「有効性」を英語の意味で日本語化すると「計画達成度」になるね。

 

A氏: 「品質マネジメントシステムの有効性の継続的改善」は「品質マネジメントシステムの計画達成度の継続的改善」、内部監査の「品質マネジメントシステムが効果的に実施され」は「品質マネジメントシステムが計画通りに実施され」となるね。