統合審査の実態
(H18年9月4週号)

B氏:

当社は、今年4月より品質と環境のマネジメントシステムを統合し、9月13日から15日に初めての統合審査を受けました。審査員は4名で2.75日です。
事務局として、一体統合審査とはどのようなものなのか、不安と期待が入り混じりながら審査当日を迎えました。
ところが、実際審査が始まってみると、最初に品質(ISO9001)に関する質問があり、ひととおり品質に関する質問が済むと、その後に環境(ISO14001)の質問があるという流れでした。これが統合審査なのでしょうか?
また、事務局の審査では、審査員2名がそれぞれ品質と環境を分担して、事務局も担当を分けてそれぞれに対応するという形でした。また、どちらかと言えば、当社マニュアルに沿うというよりも、それぞれの規格要求事項に沿っての質問がほとんどでした。
私個人の考えでは、1ヶ月以上前にマニュアルを送付しているのだから、まずマニュアルがISO9001と14001の規格要求事項を満たしているかの確認が(事前に)行われ、審査当日はマニュアルに沿って審査が行われるのではないかと思っていました。ですから、少し拍子抜けしてしまいました。
まず、質問1ですが統合審査とは本来どのようなものなのでしょうか。

 

私:

PAS99の考え(このHPの基礎知識コーナーの「PAS99とは?:H18年7月4週号」参照)で明らかなように、品質と環境で共通する部分(文書管理、記録管理、経営者責任、教育訓練、購買、測定機器の管理、内部監査、不適合の管理など)は、この区切りで審査を実施します。
したがって、審査が品質と環境で2度手間にならず、審査効率もよくなるし、審査を受ける側も効率的になるという考えです。
後は、品質オンリー、環境オンリーの項目だけ審査すればよいわけです。
通常、審査員は、マニュアルにそって自分の統合審査用のチェックリストを作りますが、どうやら、この審査はそのようなチェックリストを作らず、統合した発想でやっていないようですね。

 

B氏:

最終日のリーダーと事務局との打ち合わせで、マニュアルの項番だけではどこにISO14001の規格要求事項が含まれているのか分かりにくいので、マニュアルの目次の横にISO14001の規格要求事項の項番を記載するよう言われました。
私が、それはマニュアルの付表に参考までに規格要求事項の比較対照表があるので記載の必要はないし、何よりこのマニュアルを読む社員たちに、この内容は品質、この内容は環境ということを意識させないということも統合の意義の一つだと説明しましたが、最終会議では観察事項(以前は推奨事項)になっていました。
質問2ですが、こんなものが観察事項になるのでしょうか。

 

私:

なりませんね。まあ、観察事項ですから、解釈によっては推奨事項と同じレベルかもしれません。
指摘のレベルからすると、逆に、審査員に対する企業側からの観察事項になりますね。審査員の力量としては不適合かもしれません。
統合審査用のチェックリスト作成をサボっているのかもしれません。
統合審査なので、あなたのチェックリストが統合されていればマニュアルの目次は問題ないでしょう」と聞き返すべきでしょうね。

 

B氏:

この審査機関ですが、数年前の別の審査(環境)でも、審査員から全ての文書の改訂履歴が一発で分かる台帳はないかと言われ、改訂履歴は各文書の末尾に個別にあるのでそれ以外はないと答えたところ、やや不満な顔をされた記憶があります。
これはあまりにバカらしいので指摘にも推奨事項にもなりませんでしたが―――。
統合審査(更新審査含む)に高い金を払ってこの程度の審査を受けなければならないのは、当社にとってもかなりの(審査に対応する人員も含め)損失です。
質問3ですが、他の審査機関でどのような審査を行っているか(金額はさておき)、比較できるようなものはないのでしょうか。

 

私:
データとしてまとめていませんが、バラバラ型、統合型、いろいろなようです。
審査機関というより、審査員によるようです。貴社のように何人かの審査員が手分けするときは、特にバラバラ型が多いようです。
バラバラ型は明らかに非効率ですが、統合型は審査員の力量を問われます。
だから、「目次の横にISO14001の規格要求事項の項番を記載するように」要求する審査員のように、自分の不勉強を示すわがままが出るケースが多いようです。
まだ、統合審査は未解決の問題が多いようですね。