教育と訓練の違い
(H18年10月1週号)

A氏:

このHPの解説では教育と訓練を分けているけれど、これはトヨタ語録からきているのかね。

 

私:

それもあるけれど、ISO9001の87年版、94年版で「4.18 Training」を教育・訓練と訳したために、誤解して社外のいろいろな品質管理コースを中心にこれに含めている企業が多かったのも原因だね(このHPのISO9001項目別分類6.資源の運用の「?教育と訓練の違い」参照)。

 

A氏:

英語はトレーニングだから、規格の趣旨は、直接、品質にたずさわっている人の訓練が中心だね。現場作業の訓練などだね。

 

私:

ダスキンのフランチャイズ店などを展開する「武蔵野」が中小企業ながら日本経営品質賞を受賞しているが、小山昇社長は、社員教育は社長の仕事だとして徹底的に訓練を繰り返しているというね。

 

A氏:

9月25日号の日経ビジネスの「本」というコーナーで「強い会社をつくりなさい」という著者としての社長インタビューがあるね。
中小企業では、社員に自発性を求めるのでなく、社長が自ら育てるという考えだね。
社長と同じ価値観の人材を育てるのは、社長の最優先の仕事だというわけだ。

 

私:

この本では、自転車に乗る例で述べているが、いくら自転車に乗れる方法のテキストやマニュアルを読んでもダメで、要は、すぐに自転車に乗って、ころんだりして乗れるようになることだと言っているね。

 

A氏:

企業でも同じだね。きちんと自転車に乗れないと意味がないね。
そうするのが訓練だね。マニュアルを読むのは教育だね。

 

私:

興味あるのは、営業の新人教育だね。内定者を集めて「セールス研修」をするが、スポンジやタワシなどをもたせて、一般家庭に売りにいかせるという。いきなり実践だ。

 

A氏:

マニュアルより、体験、体得を重視するんだね(このHPの「ガチンコ審査員・コンサルタント・品証部員はどこに?:H16年10月3週号」参照)。

 

私:

さらに、重要なことは、「現場」で教える、セミナールームでいくら熱心に教えても身につかない、現場で教えるのがベストだという。そして、新人訓練はベテランより1年前の先輩がやり、その教え方をさらにベテランが見る。ベテランは自分の過去の訓練効果の確認になる。

 

A氏:

罰金制度が厳しいらしいね。

 

私:

社風の一つだという。
それから、社長自ら、顧客の前でも社長を「印紙が張ってない」「判が押していない」とがんがん叱るというね。

 

A氏:

その場で注意が原則なんだね。

 

私: 三十年くらい前に、ある会社の社長に、京セラの稲盛さんが営業課長とサンプルをもって訪問したという。そうしたら、営業課長が出庫伝票を発行しないでサンプルをもってきたというので、その社長の前で稲盛さんがその課長を叱っていたというが、似ているね。
それから、経営に管理(マネジメント)は必要だが、管理自体は事業活動ではないから、できるだけ簡単に最小限にする、管理しないですめば最高だという。

コアシステムとマネジメントシステムの関係を明確にとらえているね。

社長自ら、こういう考えをもっていたら、仮にISO9001:2000を取得しても書類過剰なマネジメントシステムとならないだろうね。

こういう訓練システムやマネジメントの理解があるなら、業績が好調なのも当然だね。