指示機能とは、これから開始する行動を指示する機能があるということです。記録はその指示によって、行動を行った結果の記録です。
行動前が文書(メモであろうと)、行動後が記録です。これが大前提です。したがって、文書の記載内容は「−−−すべきである」と現在で命令形です。記録のほうは「−−−した」と過去形です。
行動前に権威が必要なので承認や審査が要求されます。誰が作ったかわからない文書で作業をすることは品質上問題だからです。
例の「中小企業のISO9000」(94年版向け)では「文書と記録の間には相違がある。本質的には文書は、どのように物ごとを行うかを示し、管理するために使用され、状況の変化を反映して、改訂することができる。記録は何かの活動の結果として、生まれるものであり、その時点で、存在していた事実を述べたものであり、改訂できない。」と明確な説明があります。
作業指示書に改訂がないから記録としているとありますが、これは文書の定義になりません。文書は改訂の有無や頻度でなく、可能性をいっているだけです。
作業指示書は改訂の可能性はあります。作業前に指示内容にミスを発見すれば、まだ改訂可能です。 指示機能があるということは、一過性とか改訂がないとかいうことでなく、「作業を開始前」に「こうしなさい」として発行されるという意味です。それの内容に基づいて仕事がじっこうされます。「記録」は「作業終了後」なので、指示機能はありえません。指示された通り実行されたかの証拠となります。
ですから、貴社の「作業指示書」は立派な文書であり、承認・審査が必要です。作業後、結果が記入されると記録となります。
正式発行までの「つなぎ」で使うといいますが、「つなぎ」の「作業指示書」で作業が行われるならば、「つなぎ」の意味がありません。「作業指示書」のほうが「正式版」です。
システムがムダな形式的になっていることが考えられます。
文書と記録の関係図は私のホームページの「統合システム(成功への道)」コーナーの 「T.統合マネジメントシステムを成功させるための前提となる常識(5)
11 情報体系を確立すること」を参考にしてください。
|