M社は顧客からの部品の図面により機械加工をする。顧客はこれにより工作機械を組立てる。工作機械が一品料理なせいか、受注する部品も繰返し性がない。
機械加工は自動加工が中心である。プログラムを組んで、パソコンから伝送で機械が記憶し、これを現場サイドで読み出し、稼動させる。
こうして、数工程の機械加工を経由して顧客の要求し部品が作られる。
このとき、試作がそのまま本番となる。
したがって、不適合品は廃棄する場合だけになる。
何故なら、手直し可能な不適合品はその場で直してしまい、次の工程に引き渡すからである。
すなわち、独立した手直しはなく、加工ごとの修正のような扱いとなる。
このような不適合品の扱いについて、「中小企業のためのISO9001」の8.2.3と8.2.4では次のように説明している。
「監視及び測定で発見された不具合と、製品及びサービスを次工程へ引き渡す前に仕様で規定された範囲内に調整するという通常のプロセス活動とを混同しないことが望ましい。
代表的な例としては、空調のエンジニアが要求された性能を満たすまでファンの速度と空気の流れの測定、調整及び再調整を繰り返すというものがある。
このような繰返しのアプローチは、検査により発見された不具合とはしない。
しかし、仕様を満たしたとして空調のエンジニアが署名したのだが、後になって規格外であることが判明したという場合は、これは不適合となり、8.3が適用される。」
これにより、M社では、不適合品の処理は廃棄と特採のみにした。
困ったのは、是正処置であった。
廃棄したものの再発予防といっても、繰返しがないので品番レベルでは再発予防はない。
工程レベルで繰返し性があるだけである。
しかし、最初のトライは、廃棄になる可能性はあるので、その再発防止は難しい。一品料理生産につきものであるからだ。
ISO9001:2000の8.5.2では「是正処置は、発見された不適合のもつ影響に見合うものであること」とある。
したがって、試作段階の廃棄不適合品については是正処置の適用外とした。 |