| T.1月24日付「環境新聞」の記事
一面トップに「環境ISO審査登録制度の信頼性に『懸念』4分の1」という記事がある。
同社では全国のISO14001:2004認証企業から任意に選んだ18,772件を対象に、信頼性についてアンケートを求めた。回答は438件で、その4分の1が信頼性に懸念を持つということであった。懸念を持つ理由として、47%は企業の法令違反や不祥事をあげているという。
ところで、ここで問題なのは、回答数が2.3%と極めて低いことである。
これが意味するものは何かである。
「ISO14001:2004が問題なのは自明の理である。今更、真面目に答えるのも馬鹿らしい」として黙しているのであろうか。
同紙ではこれに関連して、不二家の問題で、同社がISO9001:2000とISO14001:2004の認証を得ながら、何故、このようなトラブルを起こしたのか、「ISO認証を取り消しも」という記事を載せている。
甘利経産相と北畑事務次官が民間の審査機関に直接いえないので、半官半民のJABに注意喚起と情報提供を依頼したという。
JABはこれを受け、ISO9001:2000を認証したSGSとISO14001:2004を認証したJACOに臨時審査を依頼したという。
ところが、今回、不二家の問題となった洋菓子部門や埼玉工場は、ISO14001:2004は認証されているが、ISO9001:2000は取得していないという。ISO9001:2000は菓子事業部であるという。何故、こういう取得をしたのか疑問であるが、今回、問題になったのは、品質であって、環境ではない。
経産省は、よく制度の内容を理解していないのではないかと考えられる。
また、この新聞で「ISO取り消しも」とあるように、ISOのマネジメントシステム規格の特徴をよく理解していないようである。
マネジメントシステムは、このような不祥事の場合でも、マネジメントシステム活動として価値ある活動を行うためにも存在する。
不祥事が出るたびに認証を取り消ししたり、辞退するのは、マネジメントシステム審査のイロハのイの字を理解していないことを示す。
今回の不二家をめぐるISO認証問題は、また、その理解不足を政府まで拡大していることを露呈している。
U.2月1日付「朝日新聞」朝刊経済欄の記事
不二家の卸売り菓子の3工場が取得していたISO9001:2000についての再審査のニュースが掲載されていた。
審査機関の名前は記載されていないが、「環境新聞」の記事からしてSGSであろう。
審査結果は以下の7つが指摘されたと報じているが、これでよくISO9001:2000を取得したものであるというほど、shallレベルの基本的なことばかりである(数字は私が入れた該当する規格項目番号)。
1.内部管理責任者の権限が不明確(5.5.2)。従業員と意志疎通が図られていない(5.5.2 c)。
2.不良品が適切に処理されていない(8.3)。
3.品質マニュアルを含む文書管理、記録に不備がある(4.2.2、4.2.3、4.2.4)。
4.従業員の教育訓練が不十分(6.2)
5.取引先の選定基準があいまい(7.4.1)。
6.製造工程の検査体勢が不適切(8.2.4)。
7.内部監査が徹底されていない(8.2.2)。
この7項目のうち、1.5.6は、明らかに最初に認証したときに問題になるはずである。
審査機関の最初の審査も問題になるような内容である。
2.はマニュアルに処理手順はあるがその通りに行われていなかったことを示す。
3.は背景に膨大な文書の存在が考えられる。
4.も訓練が複雑になっているので守れないことが考えられる。
7.は管理責任者が通常、内部監査の責任を持つので、管理責任者の問題であろう。
これらを見ると、ISO9001:2000は基礎から崩壊しており、そのため管理責任者をはじめ、社員に大きなモラル低下を起こしていると推定される。
最悪のISO9001:2000導入である。
ISO9001:2000は薬にはならないが、毒にもならないという人がいるが、下手をすると毒にもなるという好例である。
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