失敗しているISO9001:2000の典型的な症状・その2/3
(H19年5月1
週号)

今回は他の例も含めた。

6.加工係3
「前回の不適合」
  機械点検チェックシートの記入もれがあった。
「コンサルタントの実際のチェック」
  チェックシートはきちんと記録されていた。しかし、コンサルタントがチェック項目ごとに機械の箇所を示すように点検した作業者に質問したら、答えられなかった。
「作業者の言い訳」
  作業者は「上司にシートに書き込めといわれただけです。毎日、書いただけです。」と答えた。
「コンサルタントのコメント」
  きちんと書くように指示した。
「私のコメント」
  問題は2つある。そのチェックシートに意味があるのかということと、上司は部下のやっていることにケアしている姿勢(このHPの基礎知識コーナーの「マネジメントとは部下に対する気遣い・気配りが基本:H19年2月3週号」参照)がないことだ。


7.加工係4
「前回の不適合」
  作業者が品質目標を答えられなかった。
「コンサルタントの実際のチェック」
  作業者に聞いたら職場の掲示板を示した。クレーム半減であった。では、それをどのようにして達成するかを聞いたら、作業者は「作業標準を守ります」と返事した。
「では、今まで守っていたのに、何故、急に半減できるのですか?」と聞いたら答えられなかった。
「コンサルのコメント」
  具体的な改善方法を明確にすべきである。
「私のコメント」
  「作業標準を守る」ということが「明確に書かれる」だけであろう。
管理側の日常のクレームの具体的、技術的な追求の蓄積からきたデータや経験がないと無理であろう。個人目標としてクレーム半減は無理があるのではないか。


8.加工係5
「前回の不適合」
  設備の点検を手順書通りやっていなかった。
「現場の言い訳」
  新しい設備なので、本来手順書を読むべきなのに、文書が読みにくいので読まずにやった。
「コンサルのコメント」
  今まであった設備トラブルの防止のため、手順書を守ることが必要である。
「私のコメント」
  新しい設備導入の場合、機械メーカーの取扱説明書を読むか、メーカーの指導で訓練を受けるかして、実際の点検作業が始まる。それから、手順書ができるのである。だから、手順書作成で急に故障は減らない。重要なのは手順書でなく故障トラブルの技術的な原因追求である。
この不適合はおそらくチェックシートかなにかの記入をしていなかったのであろう。


9.検査部門
「前回の不適合」
  気密テストの検査手順書がなかった。
「コンサルタントの実際のチェック」
  手順書はあった。水につけて気密をテストする時間が30秒とあるので、時計はどこにあるのか検査員に質問したら、周囲を見渡し、壁時計を指した。しかし、秒針はなかった。
「検査員の言い訳」
  手作業で感覚的にやっているので、10秒でも問題ないと思います。
文書は品証課が作りました。
「コンサルタントのコメント」
  時計を置いて決めるように指示した。
「私のコメント」
  典型的な形式的なムダな手順書つくりの例である。訓練が重要で、手順書は不要である。
時計も不要である。訓練で指などを10意識してカウントするなどの体得訓練で十分であり、確実である。時計を置いても検査員はそれを見て30秒間作業をすることはないであろう。