A社は自動車部品を自動機械加工によって作っている30人ほどの小企業である。
先日、外資系でJABの認定も得ているB審査機関で予備審査を終えた。
A社では特殊工程は除外にしている。自動機械の段取りは資格者が行い、セットしたときは測定して、合格を確認してから作業を開始し、作業途中で作業者が寸法を抜き取りで監視しているシステムである。
したがって、加工プロセスによってできた寸法は全数検査していない。
最近、JABでは、全数検査をしてないときはそのプロセスは特殊工程になると言う話がチョコチョコある(このHPの新着ニュース・コーナーの「7.5.2の解釈トラブルの基本原因:H19年4月2週号」参照)。
ISO/TS16949を取得する場合は、7.5.2.1のshallによりこの自動機械による加工プロセスは特殊工程となる。
しかし、A社はISO9001:2000の審査なので後は7.5.2の解釈の問題だけである。このB審査機関の審査員はこの自動加工工程を特殊工程から除外していることについては一切、問題視していなかった。
ISO9001:2000の7.5.2では「製品及びサービス提供の過程で結果として生じるアウトプットが、それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合」を特殊工程にしているが、ここでは、「それ以降の監視又は測定で全数検証することが不可能な場合」とは明記していない。
また、全数検査していても、重要なある寸法だけであれば、他の寸法は抜き取りになるとするとどうすればよいのか。すなわち、検査項目によっては全数検査のものもあるし、抜き取りのものもある。だから、全数検査をしていないと特殊工程だというのも不明確な定義である。
ハンダ付けでもプリント基板へのハンダ付けは全数導通検査が可能である。強度指定がなければ強度は検査項目にないから、この場合のハンダ付けは特殊工程ではないことになる(このHPのISO9001項目別分類コーナーの7.5の「特殊工程の間違った運用:H18年4月1週号」参照)。
94年版ではハンダ付けは特殊工程の代表的なものであったが、2000年版では上記のように検査項目に強度があって全数検査ができない場合と、強度指定がなく導通性だけで全数検査をしている場合とによって特殊工程になったり、ならなかったりする。
依然としてあいまいな定義で、継続してもめそうである(このHPのISO9001項目別分類コーナーの7.5の「真夏の昼の怪談?ある審査風景:H17年9月2週号」参照)。
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