ISO9001:2000の8.5.2のf)の解釈
(H19年6月1
週号)

ISO9001:2000は2008年改訂を目標に改訂中である。
基本的に要求事項の追加、変更はしない方向で進んでおり、改訂は要求の明確化に焦点がおかれているようである。
その草案段階で気がついたのは、ISO9001:2000の8.5.2のf)と8.5.3のe)についてのJIS独自の参考の解説の問題である。審査でも無意味なトラブルを起こしていた(このHPのISO9001項目別分類コーナーの「8.5.2 f)のJIS参考トラブル、まだ続く:H17年8月2週号」)。
すなわち、ISO9001:2000の8.5.2及び8.5.3には「参考」として次の説明がある。

8.5.2では「f)における“是正処置において実施した活動”とは、a)〜e)の一連の活動である
8.5.3では「e)における“是正処置において実施した活動”とは、a)〜d)の一連の活動である

これが、草案のISO/CD9001では次のようになっている。

8.5.2のf)
ISO9001:2000―――f)reviewing corrective action taken(是正処置において実施した活動のレビュー:JIS訳)
ISO/CD9001―――f)reviewing the effectiveness of the corrective action taken(とった是正処置の有効性のレビュー:私訳)

8.5.3のe)
ISO9001:2000―――e)reviewing preventive action taken(予防処置において実施した活動のレビュー:JIS訳)
ISO/CD9001―――e)reviewing the effectiveness of the preventive action taken(とった是正処置の有効性のレビュー:私訳)

いずれもthe effectiveness が追加になり、「レビュー」の対象を明確にしている。
JIS参考のレビューの対象としている説明している「a)〜e)の一連の活動」とか「a)〜d)の一連の活動」は明確に間違いとして否定されている。
JIS参考を馬鹿正直に受け取り審査した審査員はだまされたことになるし、歪められたマネジメントシステムを押し付けられた企業はいい迷惑である。

もともとaction taken のJIS訳は、その前の8.5.2のe)では「とった処置の結果の記録」、8.5.3のd)では「とった処置の結果の記録」と、いずれも「とった処置(action taken)」と明確な訳である。とろこが、何故か次の8.5.2f)と8.5.3のe)action takenをまわりくどい「是正処置において実施した活動のレビュー」とか「予防処置において実施した活動のレビュー」と訳している。

もともと英語のreview(レビュー)は、ISO9000:2000の用語定義3.8.7にあるようにeffectiveness(有効性)を判定する行為である。英文をくどく追加修正するまでもなく、常識的に考えてレビューの対象はもともと明確である。