| A氏の質問
規格8.5.1では、「品質方針、品質目標、監査結果、データの分析、是正処置、 予防処置及びマネジメントレビューを通じて、QMSの有効性を継続的に改善する
こと」と、「データの分析」と「マネジメントレビュー」が、なにか同列の次元のように 書かれています。
小生、「データの分析」も「マネジメントレビュー」も、プロセスの前後関係だけで プロセスの重さ(というと変ですが)について考えたことがなかったのですが、この2つは次元の異なるプロセスではないかと考えるに至りました。「データの分析」結果は、マネジメントレビューへのインプットの一部を構成するが、「マネジメントレビューへのインプット」の項で要求される項目の、いろいろな要素を含んでおり、どの要素に該当するかは、その内容次第ということになるのでしょうか?
私のコメント
「データ分析」の件ですが、これはPDCAのCの段階の業務だと思います。
マネジメントレビューは、これらのデータをインプットとして、経営レベルのAの段階の業務となると思います。
規格8.5.1では並列に列挙されている項目も、5.6を見るとすべてマネジメントレビューの対象であったり、インプットになっていたりして、レベルが違うことが明らかです。
この点で、ISO9001:2000とISO14001:2004は同じPDCAモデルを使っていながら、大きく構成が違います。ISO14001:2004のほうが正確なPDCAモデルでマネジメントレビューが最後に来ています。ですから、最初、8.5.1については、私はマニュアル上では「マネジメントレビューに準ずる」の1行で終わりとしていました。
A氏の質問
データ分析の結果がマネジメントレビュー(MR)へのインプットになるだろうと言うのは、8.5.1の文面から想像がつくのですが、一方、5.6.2の項目を見ると
a) 監査の結果(=8.2.2)
b) 顧客からのフィードバック(=7.2.3→8.2.1)
c) プロセスの実施状況及び製品の適合性(8.2.3&8.2.4)
など、8.2のデータが、8.4を介さずに直接入ってくるようにも読めます。
この辺が、8.4と5.6の関係が良くわからない一因です。
8.4の目的が「QMSの適切性及び有効性の実証と、QMSの有効性の継続的改善の可能性の評価」であるところから見ると、8.4のアウトプットは、
a) 顧客満足の現況は、このとおりである。
b) 製品要求事項への適合性の状況は、このとおりである。
c) この工程(又は製品)は、歩留まり率の変動から見て、改善の余地がある。
d) 供給者は、現在何社と取引しているが、受入検査時の業者別不適合発生率は、以下の通りである。
のような形となるのでしょうか?
私のコメント
この流れは、順序は逆ですが、仕事の流れからすると、供給者(d)、社内プロセス(c)、製品関連(b)、顧客関連(a)という順序として整理できます。
電気、自動車業界では、b)はクレーム件数とその明細、c)は社内工程の不良のパレート分析、工程ごとの分析など、d)が外注先別返品件数などの統計分析をISO9001以前から伝統的に月報などでやってきていましたので、違和感なく理解でたと思いますが、他の業界ではすぐに理解できないことがあると思います。
ISO9001規格の基礎をなすモデルは伝統的な量産製造業なので、8.4の対象は、統計的な分析をイメージしていると思います。94年版までの「統計的手法」の名残りでしょうか。ですから、a)だけは8.4を経由しませんが、他は5.6.2のb)は8.4のa)とb)、5.6.2のc)は8.4のb)、c)、d)と対応していると解釈しています。
問題は、5.6と8.5.1の関係ですが、このHPの「統合システム(成功への道)」コーナーの「U.統合マネジメントシステム・マニュアルの作成方法(5)(最終回)」にあるように比較表を作り、8.5.1は5.6に含まれるとしています。
この比較表はマニュアルに最初なく、「継続的改善はマネジメントレビューにて行う」という一行でしたが、審査で審査員と「神学論争」のネタになりやすいので、この表を添付しました。
神学論争は不思議になくなりました。
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