受入検査に硬度記録がないのは不適合?
(H19年9月2
週号)

「N氏」
当社は60名程度の機械加工の中小企業です。
顧客から来る金型の部品図や治工具の部品図面でより加工するので、繰り返し性がなく、一品料理的な加工をしています。
加工後、焼入れ工程があり場合があり、これは当社では設備がないので、専門外注にまかせています。
加工外注は「業者調査表」で調査して登録しています。
当社では「7.4.3 購買製品の検証」要求に対して、受入検査は焼入れについては外観だけで、硬度検査はしていません。
これに対して、審査員は「8.2.4 製品の監視及び測定」により硬度の検査と記録が必要であり不適合だと指摘がありました。
理由は、カタログでの購入品や鋼材を購入した場合は、責任の所在はメーカーに求めることが出来るが、当社での加工品が図面どおりの焼入れ硬度がない場合は、当社の責任となるということでした。
焼き入れ外注に問い合わせたら、硬度は測定しているということでしているので、納品書に硬度記録を書いて納品することになり、それを記録として保管することにしました。

「私のコメント」
どうも、審査員に言われて焼入れ外注の硬度試験の状況を調査したようですね。本来、「業者調査表」でその焼入れ外注を評価するとき、焼入れ工程と硬度の管理を調査しておくべきものでした。ただ、形式的に「業者調査表」を書いていたのでは、きとんと説明ができないでしょうね。
審査員が焼入れ工程にこだわったのはこれが特殊工程だからとも考えられます。
したがって、いろいろな理屈をもってきたようです。「8.2.4 製品の監視及び測定」に「焼入れした製品の監視及び測定をすること」とか「特殊工程の結果できた製品の監視及び測定をすること」という要求はありません。
また、審査員の言う、いわゆる外注加工の場合、外注工場の責任とならず、貴社の責任だというのも常識はずれです。当然、外注の責任問題や賠償問題となります。さらに取引停止ともなることもあります。
なお、硬度検査は製品にキズやへこみをつけるので一種の破壊検査となります。貴社の場合、一品料理的な生産なので、外注に出す品物も1個というものが多いと思います。ですから、その製品そのものを検査できないので、2個作って、1個は検査することになります。検査した品物はキズがつくので破棄となります。したがって、コスト的には不可能でしょう。だから、簡単なサンプルでの測定や焼入れの温度や時間などの条件管理をしているはずです。それが特殊工程の意味です。
硬度について、貴社が常識的なレベルの技術知識を持っていなかったことが審査員を説得できず、もめた原因のようですね。