| 「G氏の質問」
当社は、顧客から図面をもらって加工する20人位の部品メーカーです。
ISO9001:2000の予備審査で不適合ではないが、観察事項として「特別採用の処理では、顧客との協議決定事項は、リスク回避の観点から記録に残すことをお勧めします」ということが言われました。
審査機関からの経歴書によると、審査員は大手企業の出身で、ISO9001の審査員経験は4年位とのことです。
当社では、不適合品が発見されると「不適合品報告書」が発行され、この処理欄に手直しか、特別採用か、廃棄かなどの処理が明確にされます。
特別採用の場合は、顧客の了解を得る場合は、顧客の担当者名をメモ的に書いて記録するルールになっています。
それで問題ないと思っているのですが、どうも、審査員の言っている意味がピンときません。
なお、当業界は品質が厳しく、顧客による製品の特別採用ということはないといっていいと思います。
「私のコメント」
大手企業は特別採用のときに「特別採用申請書」とか「特別採用認定書」という専用の帳票があるのが通常です。
審査員はその大手型の帳票をイメージされていたのだと思います。
特別採用ではロットや期間を限定するのが通常です。そして通常、「特別採用申請書」とか「特別採用認定書」では顧客の責任者や担当者の許可捺印欄があり、顧客の許可記録として残ります。
しかし、顧客側がこの欄に捺印することを嫌うこともあります。不適合品を作ったのは供給者側の責任の場合がほとんどだからですし、部品メーカーは取引上、顧客と対等の立場でないのが通常だから、顧客に捺印を強制できないこともあります。顧客側もリスクを回避したいためにはあまり捺印したくないでしょう。
そこで顧客の責任者や担当者の許可捺印欄には、先方の担当者名を供給者側で書いて、記録することが多いと思います。
ましてや、品質が厳しい電気、自動車などは、部品の特別採用はほとんどないとおもいます。納期が無くて不適合品の手直しや再加工で納期遅れとなりそうなら、徹夜してでも対応しなくてはならないということになります。
それで遅れた場合、かなりの賠償金を取られることになります。
いずれにせよ、そのような業界の場合、「特別採用申請書」とか「特別採用認定書」を独立して作っても、使用することはないと思いますし、顧客の記入欄に顧客が記入されないこともあるので記入不備で終わることもあります。
特別採用の手順に「特別採用申請書」とか「特別採用認定書」とかの専用帳票を用いるか、「不適合品処理報告書」で一括処理するかの代替案があり、それは企業が効率よい方法を選択することになります。
貴社の場合、「不適合品処理報告書」方式は、企業規模、業種の特徴にあった簡潔なシステムだと思います。
|