メタノールの管理
(H19年9月4
週号)

「H氏の質問」
当社は20人くらいの小企業で、電気部品を作っています。
ISO9001:2000とISO14001:2004を統合したマネジメントシステムで審査を受けました。
審査員が現場を回り、不適合ではないが、観察事項として次の指摘がありました。
どのような対応をしたらよいでしょうか。
なお、緊急事態対応としては、連絡網が中心で火災の場合などは延焼を防止するため、すぐに消防署に電話連絡をするように訓練しています。
消火器は家庭並みレベルですが、設置しています。

「審査員の観察事項・ISO9001:2000の6.4及びISO14001:2004の4.4.7」
原材置き場には、エタノール及びトルエンが各々18L缶1個保管されており、エタノール入りハンドラップ(250ml)が作業机上にあります。緊急事態としての特定及びそのテストについて検討の余地があります。

「私のコメント」
1.作業環境

ISO9001:2000の「6.4 作業環境」は「製品要求事項への適合を達成するために必要な作業環境」に限定されるので、半導体の塵防止や食品の菌防止や恒温恒湿の必要性など、製品の品質に影響する作業環境のことです。
その観点からすると、貴社のエタノールは製品に悪影響を与えるものではないと思います。エタノールやトルエンは蒸発すると職場の人に悪影響を与えるという観点からの指摘ならは、労働安全衛生からのものとなります。OHSAS18001:1999という労働安全衛生マネジメントシステムの問題となります。
ISO9001:2000の序文では「この規格には、環境マネジメント、労働安全衛生マネジメント、財務マネジメント、リスクマネジメントなどの他のマネジメントシステムに固有な要求事項は含まれていない」とあります。
ISO14001:2004の序文でも「この規格には、品質、労働安全衛生、財務、リスクなどの他のマネジメントシステムに固有な要求事項は含まれていない」とあります。
規格の棲み分けを明確にしています。
2.消火の問題
消防法
の適用を受けるのは法令で定められた危険物と指定量を保管又は運搬している場合です。貴社の場合は使用量が少量なので適用されないようです。
消防法の目的は、火災の予防・警戒・鎮圧により、国民の生命、身体及び財産を火災から保護することを目的としています。環境とは少しずれがあります。
火災が環境と関係するのは、再生資源燃料を使っている場合やタイヤのように火災になると有害なガスをサイト外に出す場合、あるいは延焼の場合です。

貴社の場合は、有害ガスを出すことは無く、むしろ、サイト外への延焼が環境の問題になると思います。
これには、即、消防署の支援を求めることが中心になります。ただし、これはテストが不可能です。
ISO9001:2000やISO14001:2004の審査はマネジメントシステム審査なので、こういう現場での指摘は、マネジメントでなく整理整頓レベルの審査ですね。