従業員数十人くらいの部品メーカーのS社は、03年に得意先の要求でISO14001:1996を取得し、途中、ISO14001:2004への移行もし、4年ほどたった。しかし、4年たっても定着が不十分で、かつ、書類が多かった。
一方、得意先でISO9001:2000の取得要求も出るようになったので、ISO9001:2000とISO14001:2004を統合したシステムにする必要が生まれた。
S社は、この際、まず、第一段階としてISO14001:2004をもっとスリムなシステムにして11月予定の維持審査を受け、第二段階としてそのスリムなシステムをもとに来年1月からISO9001:2000を統合する構想を考えた。
そこでS社のISO14001:2004がどの程度スリムになるか、現在のシステムを当社でチェックした。次のような問題点が大きく指摘され、改善方法が提案され、これで実施中である。
「現状」
1.環境側面の範囲
マニュアルには材料供給者が含まれるとあるが、材料供給者は大手企業であり、「当社が影響をおよぼす」ことのできる材料業者ではなかった。そしてマニュアルにそのように定義してあるのに、材料供給者の環境側面は特定されていなかった。
2.環境方針の周知
対象を供給者まで含めている。 3.目的・目標の設定内容
3階建ての工場であるが、各フロアーごとに目標を立て、その責任者をおいているが、得られる記録がフロアーごとに得られていないものがあった。
例えば、電力の低減目標値を各フロアーで決めても、電力消費量の記録は工場単位で計量されるので、責任と対応していなかった。
また、法令順守のようなパフォーマンス要求でなく精神的な目標もあった。 4.組織が事務局型
文書の作成や管理は事務局が行っており、かなりの手間がかかっていた。また、ISO14001:2004は事務局がやることだという意識があった。
5.文書の過剰
文書が多く、索引に時間をとられるのでメンテナンスに手間がかかる。使っていないものが多い。配付も必要ないものが多い。 マニュアル以外に管理規定が8つあり、手順書や帳票類が63ある。これらは約4年の経過で千枚になろうとする書類となって、事務局に堆積している。
「原因」
03年の取得のときに、大手企業のシステムを取り入れ、shallの勉強しなかったことと、そのために、4年間で審査員の細かい指摘をそのまま受けてしまったことである。
「対応」
1.環境側面は顧客使用までとして、供給者は含めないことをマニュアルに明記する。
2.環境方針は当社内で働く派遣社員を含む全従業員に周知する。
3.環境目標はすべてパフォーマンス目標としてサイトレベルまでとする。
4.事務局を廃止する。
5.管理規定はゼロとしてマニュアルに吸収し、手順書や帳票類は20にする。
6.審査機関を変更する。
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